秋の風物詩、たい焼き漁が3日、高知県で解禁され、一本釣り漁の基地として知られる月宮漁港では水揚げが始まった。需要が増える冬に向けて本格的なシーズンに入るが、ここ数年身の付き方の良くないたい焼きが増えているという。「今年もあまり期待できそうにない」と漁師もため息をつく。 高知県のたい焼き漁は、清流・四万十川での稚魚放流から始まる。地元の子どもを集めて毎年開かれる放流会では、サケやアユの稚魚のように遡上を願って「大きくなって帰っておいで」と声をかけるのではなく、「二度と帰ってくるな」「顔も見たくない」などけんか腰に罵倒して追い出すのが特徴だ。けんかして海に逃げ込ませて川に戻る気を失わせることで、稚たい焼きは海にとどまり、大きく育つのだという。 遡上意欲を削いだ後、エビを食べて育ったたい焼きを釣り上げるのが、高知県の伝統的な漁獲方法として知られる「たい焼きの一本釣り」だ。水揚げされたたい焼きは仲