秀吉の評価はともかくとして、スペインによる侵略などというのが、当時の常識ではすでにありえないことだったのは間違いありません。 海洋帝国スペインはすでに斜陽大国への道を進んでおり、日本を植民地化する力も意志もありません。 はっきりいえば、それどころではない。 スペインは収入源である南米の銀をイギリス、オランダ、フランスの私掠船に荒らしまくられ、それを止めようとした1588年のアルマダ海戦に敗北して海上戦力の相当数を喪失している。 また南米と並んで経済力の要であったオランダも独立戦争の真っ最中。さらにアジアからスペインを駆逐しようと必死になっている。 経済の両翼を失い、過大な軍事費に悲鳴をあげ、海洋帝国の地位をイギリスやオランダに食われている。それがサンフェリペ号事件当時のスペインです。 結局は、スペインを追い落とそうとしていたイギリスやオランダにそそのかされた、というだけの話ででしょう。オラ