その老婆はPunch Churchillを手に取ると、親指と人差し指で強く握った。そして私に向かって、ニタリと笑った。これはいいよ、という合図だ。ニコリでもなければニヤリでもない。ニタリという表現がぴったりだろう。蛇に睨まれたカエルの気分と言うと言い過ぎだが、二人の間には緊張した空気が流れた。このオババただ者ではない…それが顔に刻まれた皺のせいなのかはわからない。しかし、そう思わせる迫力が彼女にはあったのだ。私は迷わずそのパンチを買い、他にも数本彼女に選んでもらった。 結局のところそのパンチはドローが悪く、100%楽しめなかった。あのオババの笑顔の解釈が間違っていたのかもしれないし、彼女もそこまで読めなかったのかもしれない。しかしその店の葉巻のコンディションは素晴らしく、きちんと巻かれてさえいれば期待を裏切らないはず。オババのせいじゃない、運が悪かったのだ。いつの日かまた、ここに戻って来よ