米国で2008年1~3月に700MHz帯周波数免許が競売にかけられた。この帯域はモバイルに適した周波数特性を持つ「一等地」である。米グーグルが鳴り物入りで参戦したために,今回は特に注目を集めた。 グーグルのロビー活動の結果,今回競売された周波数ブロックのうちの「Cブロック」には,「端末とアプリケーションを開放する」という義務が課せられた。ただし「開放義務のせいで落札価格が上がらず,十分な免許料が国庫に入らないぞ」というFCC(連邦通信委員会)に対する事業者の脅しが功を奏し,C ブロック全体の落札価格が一定の金額(約46億ドル)を超えなかった場合には義務化条件を外して競売をやり直すというルールも付いた。 「すわグーグルが携帯に参入か」と大騒ぎであったが,結果としてグーグルは一つも免許を落札しなかった。問題のCブロックの競売は,開放義務発効の金額をわずかに超えたところで終わった。グーグルの狙い