お世話になっております。物語創作技法研究者の佐藤です。前回は認知心理学に基づいた物語の面白さについてお話しました。今回からその実践編となります。ハリウッドが認知心理学をどのように物語作りに生かしているのか。丁寧に解説してまいりますので、よろしくお願いいたします。 前回の復習 本題に入る前に、軽く前回の復習を行いましょう。認知心理学による面白い物語とはいかなるものだったでしょうか。簡単にまとめれば、「登場人物が自分の感情に基づいて行動を起こす。感情によって引き起こされる行動は因果関係によって連鎖し、変化を生みだす」これが物語の定義です。 一方物語が面白くなるかどうかは、受け取る観客の判断で決まります。「展開の因果関係が明瞭であり、観客が登場人物の行動と感情に納得できる」、「登場人物の行動と心情が引き起こす変化に対して、受け手がはっきりとプラスかマイナスの価値判断を下すことができる」この二つを
![『ハリウッドが教える。認知心理学活用創作術』](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/ef5e2b8bc837d315d4789263a3677dcce1d69c94/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fstat.profile.ameba.jp%2Fprofile_images%2Fcommon%2Fnoimage_default.gif)