食品スーパーの草分け的な存在として知られる関西スーパーマーケット(兵庫県伊丹市)を巡る争奪戦が活発化している。7年越しで同社と“相思相愛”の関係を築いた百貨店大手「エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリング」(大阪市)に、関西への進出を目指すディスカウントスーパー「オーケー」(横浜市)が対抗する構図だ。オーケーは5年前に関西スーパー株を買い集めた大株主で、H2Oにとっては因縁の相手。なぜ関西スーパーは他の流通大手から狙われるのか。そして争奪戦で何が焦点になるのかを探った。【宮崎泰宏、井口彩】 「関西最強の『地域密着型食品スーパー連合』を目指したい」。8月31日の記者会見でH2Oの荒木直也社長は力を込めた。阪急阪神百貨店を傘下に持つH2Oは、関西スーパー株を10・65%保有する筆頭株主。この日の会見では関西スーパーを子会社化したうえで、来年2月にイズミヤなどH2O傘下のスーパー2社と経営統合す