南海 ここで,もう一つ「リシャールの逆理」を紹介しよう.これを考えたのはフランスの数学者J.リシャール(J.Richard,1905年発表)だ.彼はフランスのリセ(高等中学校)で数学教師をしていた. 例えば, 1とそれ自身以外には約数をもたない自然数. 1と異なり互いに異なる2つの数の積として表される自然数. 2個の異なる平方数の和で表される自然数. このように有限の長さの文章で書かれ,各自然数が定義にあてはまるかあてはまらないかを,自然数の加法,乗法,およびこれらから派生した有限回の手続きで定まる諸関係をもとに判断できるような,自然数の部分集合を定める定義をすべて考える.ただし,「判断できる」とは,各自然数について有限回の手続きで判断できることを意味する. 拓生 9が2個の異なる平方数の和で表される自然数かどうかは,となるとが存在するかどうかを, の範囲で調べればよい.これは9通りしかな