【エキスパートEye】 「日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中…」と言われたときに、あなたは何を思い浮かべるだろうか。このようなセリフが、沖縄の基地問題をはじめ日本の軍事的な安全保障が語られる上で枕詞になるなか、沖縄県の沿岸水域を管轄範囲とする第11管区海上保安本部という、その「最前線」にいた人物が語るインタビューは貴重だ。 前述の問いは、誰が、いつ、どこから「安全保障環境」をみるのか、ということに左右されるだろう。 2021年4月に、第11管区海上保安本部に着任した一條正浩氏からすると、この2年の間に、「尖閣はエスカレートしていない」という風に感じたという。さらに、「侵入時間が長いのは、中国からすれば日本漁船が長い時間領海内にいたから」と、日本側の動きを考慮しないといけないことや、「接続水域の確認日数も、…台風が来ているか来ていないかに左右され」るという「外的要因」を指摘しており、