「本当にこの子たちが日本一になったのかと、信じられない。日頃の積み重ねが優勝という結果になって……」と試合後にコメントした荒井直樹監督。 前橋育英(群馬)の監督、荒井直樹は常に「平熱」の人だ。 「監督のすごいと思うところは?」という質問に対し、一塁手の楠裕貴は、真っ先に「怒らないところ」と答えた。 「野球以外のことでは厳しく注意されることはありますけど、声を荒げたりすることもない。1カ月間、ほとんど誰も注意を受けないこともある」 延岡学園(宮崎)との決勝戦で、4回裏に3点先制されたときも、5回表にすかさず同点に追いついたときも、ベンチ前に立つ荒井が喜怒哀楽を表現することはほとんどなかった。 「ここまできてドタバタしてもしょうがないので。ガツガツやってもいいことないじゃないですか」 指揮官も、選手も、強さの理由を尋ねても「特別なことは何もしていない」と繰り返した。逆説的だが、強いて言えば、そ
![優勝を呼んだ前橋育英の「凡事徹底」。誰でもできること、誰よりも続けること。 (中村計)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/04f2c0be79ccb7689c4a17fd6fc33743bfa04ba5/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Ff%2Fb%2F-%2Fimg_fb5d3e4921bc30799d0b5834490336b0372213.jpg)