野菜、魚介類、果物……市場に並ぶ豊富で新鮮な食材を見るたびに、私たちはいろいろな物を食べて生きていることを実感します。その中でも、現代人に最も人気がある食材といえば、やはり肉ではないでしょうか。誰もが、時として無性に食べたくなる肉。今回は、その肉が私たちを魅了する理由について、化学物質の観点からお伝えします。 肉に含まれる脂肪分は、同じ重さの炭水化物に比べて2倍のエネルギーを含むため、栄養の観点から見れば、肉を食べれば非常に効率よくエネルギーを得ることができます。 約9000年前、人類は野生動物を飼い慣らし、移動する際も連れて歩くようになりました。その理由のひとつは、人間が食べられない残飯などを与えることによって、それらを家畜の脂肪に変換し、エネルギーの外部貯蔵庫、しかも自分で歩いて移動する食品庫として利用していたからだと思われます。 肉を食べると幸せな気分になる仕組み 「肉を食べたい」と