私がはじめて死にたいと情念したのは小学6年の時である。 もっとずばり正確に厳密に申しあげれば、死んだほうがいいのかもしれない、という情念であった。 べつだんイジメやら、交友関係やら、明日の行く末に悩んでいたわけではない。 ではなぜ己の生命欲を放擲したのか。 といえば、母が男性と交際していたからである。 私はシングルマザーの家庭に生まれた。 どうやら昨今では母子家庭というフレーズよりもシングルマザーという横文字が主流なようだ。略してシンママ。となると真ママや神ママみたいでとっても解脱感がありますね。 シングルマザー、ってゆうか片親家庭における子どもの親依存度といったら並大抵のものではない。 私は「家ついってっていいですか?」というテレビジョン番組が好きでよく観ていたのだが、その番組でシングルマザーの一家が出ていた。深更であったが、喧しかったのか子どもが起きた。小学4,5年生くらいだったと思う