ポイント 農研機構 動物衛生研究所は、非定型BSEプリオンから新たなBSEプリオンが出現する現象を確認しました。マウスで4代継代した非定型BSEプリオンは、異常プリオンたん白質の生化学的性状が変化し、牛やマウスにおける潜伏期や病態が異なっていました。 概要 牛海綿状脳症(BSE)は、ヒトへ伝播し変異型ヤコブ病の原因となったことから、食の安全の問題を提起しました。肉骨粉などの動物性たん白質飼料の使用規制により、世界中で発生数の減少が認められています。我が国も、BSE対策の実効性が評価され、平成25年に国際獣疫事務局(OIE)1)により「無視できるBSEリスク」の国に認定されました。一方、従来型のBSEとは異なる性状の非定型BSEは全世界で100例ほど確認されていますが、孤発性と考えられる非定型BSE2)に関する科学的知見は乏しく、リスクの推定は困難となっています。 農研機構 動物衛生研究所は