差し上げる相手との間柄や目的によって、手みやげの選び方は悩ましい。しかし、特段の事情がないのであれば、手みやげには「どら焼き」をおすすめしたい。なぜなら「ちょうどよい」から。かしこまりすぎず、値段も手ごろなため、相手に余計な気を遣わせることがない。 都内で、どら焼きの名店といえば、その筆頭は「うさぎや」だ。創業は大正2年。昭和の初め、2代目からどら焼きの販売を始め、今では売り上げの9割を占めるという。メディアで、「カステラ風の生地に小豆餡をはさんだどら焼きの元祖」と紹介されたこともあったが、主人の谷口拓也さんによれば、それは違うそうだ。 「うちがどら焼きを作り始めたころは、ほかにも何軒か同じような姿のどら焼きを売っている店が東京にあったようです。そもそも、気軽に食べられるおやつですから、元祖がどこかなんてどうでもいいんですよ」と谷口さんは笑いながら話す。 ではなぜ、うさぎやがどら焼きの名店