microSDカードの整理をしているとふと昔の写真を見つけて、年甲斐もなく泣いてしまった。 実家の小さなマンション、今ほど年老いておらず、お金に困っていない母、きれいな部屋。 窓の外には高層マンションではなく、公園があった。 当時付き合っていた彼女の写真もあった。 まだ将来の心配事なんて何もなく、不安なんてものとは無関係だったあの頃。 叔父はこの10年で年老いた祖父の財産を使い込んでしまった。昔は自営業をやっていて、ぼくもよく遊んでもらった。 ぼくは10年分年を取って、状況が10年分悪くなっただけだ。 あの頃からみると遠くに来たものだが、手元に残るのはかすかなお金とそれでは到底まかないきれない将来の不安だけ。 もう一度か二度、ぼくは自分の人生を、かすかなお金を博打台の上に置いて、生き残っていかなくてはいけないのだと思う。 綺麗なホームランなんて、そんなものを打てるバッターではないかもしれな