Modern Monetary Theoryの根本的な誤りは、現代の通貨システムが、国家が通貨発行権を独占していたシステムをベースにしたものだとしていることにある。 200年前なら、国庫が通貨を発行するという形で支出し、支払手段としてその通貨を受け取るという形で徴税しているのは明白だったが、今や中央銀行が国庫に代わって通貨の支払と受取りを行っているので、分かりにくくなってしまった。 しかし、非常に複雑にはなったものの、MMTが示してきたように本質は何も変わっていない。政府が支出して通貨を生み出し、納税者が国家への支払義務を果たすためにその通貨を使っていると言ってもまったく問題ない。 政府が支出や貸出を行うことで通貨を創造するのであれば、政府が支出するために租税収入を必要としないのは明らかである。さらに言えば、納税者が通貨を使って租税を支払うのであれば、彼らが租税を支払えるようにするために、