では、複数のデータベースに対してアクセスする場合、どのようにすれば原子性を保証できるのでしょうか。これを解決するのが、図 2 に示す 2 フェーズコミットと呼ばれる方法です。 2 フェーズコミットでは、図 2 のようにトランザクションのコミット処理を 2 段階のフェーズにわけることによって原子性を保証します。ちなみに図 2 の UML 表記は、厳密ではありません。どのようなメッセージが交換されるのかについてのみ注目してください。 第 1 フェーズでは、まず、各データベースに対してコミットできる状態であるかどうかを確認するための準備 ( 図 2 の prepare ) の指示を送ります。これを受けた各データベースは、コミットできる状態かどうかをアプリケーションに伝えます。この処理を「投票する」と呼びます。コミットができる状態であれば、コミット予定の内容を確定させた後、アプリケーションに対して
大きなSIerでは社員はプロジェクト管理だけを行い、実作業の大半を外部に委託するところがほとんどです。直営比率が低いところは管理作業しか行わないため、入社してから設計書もプログラムも書いたことがない人は割といます。感覚的には、直営比率が1/3を超えるプロジェクトは社員が自ら現場で作業することが可能で、若手社員にも実作業を経験する場が与えられる気がします。 大きなSIerの小さなプロジェクトはたいてい同じ構造をしていて、ソフトウェア開発自体を丸ごと外注していることが多いです。一括請負契約ですね。この場合、委託元と委託先の責任境界は明確で、委託業務に社員が深く関わることはあり得ません。それでコストが増えたら喧嘩になります。残念ながら、このような構造では社員がソフトウェア開発の実作業を経験することは不可能です。 私は、直営社員もコーディングやテストを自ら行える能力が必要と考えます。その理由は、現
2023年のお仕事をまとめてみた。 複雑化するデータパイプラインへの対応 クロスアカウントのリストア 現職では、開発、テスト、カスタマーサポート、データ分析などに使うデータベースを日次もしくは不定期で本番環境から同期する仕組みを整備している。今年は検証環境を独立した AWS アカウントに移行する作業を進めていた。データパイプラインもクロスアカウントに対応した。 本番環境のデータベースには個人情報が含まれるものがあるため、本番環境の AWS アカウント内で個人情報のマスク処理を完結させる必要がある。そのため、本番環境の AWS アカウントでマスク済みの EBS スナップショットや RDS スナップショットを作成し、検証環境の AWS アカウントに共有する構成にしている。以下のはまりどころがあった。 スナップショットの内容は共有されるが、スナップショットのタグは共有されない AWS Manag
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