太陽の塔と岡本太郎 近代建築の大屋根をノビノビ・ヒロビロと突き抜ける 祭りの魅力 岡本太郎 (全文、昭和45年3月8日、毎日新聞掲載) 祭りもいよいよ目前だ。すべてのパビリオンが装いをこらして、幕あきを待つ。こころよい緊迫感が千里の会場全体にみなぎっている。 私がはじめてテーマ展示プロデューサーを引き受けたころ、いったい万国博とはどんなものなのか、みんなが手さぐりの状態だったし、二年やそこらで出来るだろうかという懐疑的な気分が大勢を占めていた。 それにもまして、当事者がいちばん気にしていたのは、外国人に見られて恥ずかしくないもの、世界に対してみっともなくないものが出来るだろうか、という心配。モントリオールに負けるな、とコチンコチンになっているように見えた。 私はそんな考えには大反対だ。だから公言した。及第点をとろうとアクセクするなんて卑しい。失敗した方がいいんだ。そのくらいの気構えで、ベラ