の比較になる. 人は, 傘を忘れて雨が降った時(XY)のことと, 傘をもってこなかったが雨も降ら なかった時のこと( )を重要視する傾向がある. そのため, 傘を忘れず雨が降った時の回数と傘をもってこなかったが雨も降らなかった時の 回数を比較( と の比較)として, 「傘を忘れた日に 限って雨が降る」という推論をしてしまいがちである. また, 雨が降って傘を忘れた時のことは印象に残りやすいが, 傘をもってきて雨 も降った時のことは失念しやすいのである. 通常の出来事は気にとめない(出来 事としてすら認識されない)が, 予想外の出来事や通常と異なる出来事は記憶に 残りやすい,という傾向が指摘されている. この事例では,コントロールの幻想(illusion of control; Langer, 1975)が指 摘されている.コントロールの幻想というのは,自分の意図や能力,存在によっ て(本