記者会見で3カ月前にいじめをうかがわせる情報を得ながら対応しなかったことを謝罪する校長=兵庫県川西市で2012年9月17日午後3時14分、藤顕一郎撮影 いじめを受けていた兵庫県川西市内の県立高校2年の男子生徒(17)が今月2日に自殺した問題で、高校の校長が男子生徒の両親に「自殺ではなく、不慮の事故ということで生徒たちに説明したい」と打診していたことが分かった。両親は拒否し、実際には学年集会で自殺と説明した。両親はこれらの対応に反発を強めており、「学校は信用できない。真実を知りたい」として、第三者機関への調査依頼や県警への被害届提出を検討している。 また、校長は17日、記者会見し、いじめに関わっていたのは生徒3人だったと明らかにし、いじめと自殺との関連について、「生徒が自ら命を絶っているので、全く関連性がなかったとも言い切れない」と話した。 高校や両親によると、校長は男子生徒が自殺した翌日の
22日午前10時20分ごろ、札幌市内の自宅アパート室内にいた女子中学生が、侵入してきた見知らぬ男にスタンガンを突き付けられ、体を触られた。女子生徒は携帯電話で110番。場所を告げずに電話は切れたが、男の怒声などが聞こえたため、道警通信指令課員が携帯の全地球測位システム(GPS)機能で発信位置を調べた。約30分後に札幌豊平署員が駆け付け、悲鳴がした部屋に踏み込んで男を取り押さえた。 住居侵入と強制わいせつ傷害容疑で現行犯逮捕されたのは札幌市豊平区の無職、下村隆司容疑者(48)。容疑を認め「無施錠の玄関から入った」などと供述しているという。女子生徒は首に軽いやけどを負った。【伊藤直孝】
原発の重大事故を想定した防災対策の国際基準を導入するため、内閣府原子力安全委員会が06年に国の原子力防災指針の見直しに着手した直後、経済産業省原子力安全・保安院が安全委事務局に対し「社会的混乱を引き起こす」などと導入を凍結するよう再三文書で要求していたことが分かった。結局、導入は見送られ昨年3月、東京電力福島第1原発事故が起きた。導入していれば周辺住民の避難指示が適切に出され、被ばく人口を大幅に減らせた可能性がある。【比嘉洋、岡田英】 安全委が15日、保安院からの文書や電子メールなど関連文書を公開した。 国の防災指針は79年の米スリーマイル島原発事故を受け、80年に策定された。しかし原子炉格納容器が壊れて放射性物質が大量に放出されるような重大事故は「我が国では極めて考えにくい」として想定しなかった。 02年、国際原子力機関(IAEA)が重大事故に対応する新たな防災対策として、住民の被ばくを
母親の交際相手からわいせつ行為を受けたと訴えた女児(当時10歳11カ月)の告訴能力を、富山地裁(田中聖浩(きよひろ)裁判長)が「幼い」ことを理由に認めず、起訴そのものを無効とする公訴棄却の判決を下していたことが分かった。富山地検は「告訴能力は年齢で一律に決まらないのに、判決は実質的検討をしていない」として控訴している。強制わいせつ事件などの起訴について刑事訴訟法は、被害者らからの告訴が必要と定めているが、告訴できる年齢に規定はない。子供が性犯罪の被害に遭う事件が絶えないなかで、審理が注目される。【大森治幸】 判決は今年1月。地裁は、富山市の無職の男(42)に対し、交際相手の女(39)の長女(当時15歳)や次女(同10歳11カ月)にホテルでわいせつな行為をしたとして、強制わいせつ罪など3事件で有罪とし、懲役13年を言い渡した。女に対しても、宿泊予約の手助けをしたとして同ほう助罪などで懲役4年
【カイロ和田浩明】シリアで反体制派の退潮が著しい。武装闘争路線をとる離反兵士団体「自由シリア軍」は13日、北部イドリブ市から撤退した。中部ホムス市に続いて主要拠点を失ったことになる。政治的にも、主要反体制組織「シリア国民評議会」から幹部3人が脱退。欧米や一部アラブ諸国は反体制派支援を明確にしているが、反体制側の「統一戦線」構成にはほど遠い。 シリアではアサド大統領が13日、複数政党制を盛り込んだ新憲法(2月承認)に従い人民議会(国会)総選挙を5月7日に実施するとの布告を発表。国民の要求に応えた「政治改革」を着実に進めているとの印象づくりに躍起になっている。 自由シリア軍の報道官は毎日新聞の電話取材に対し、イドリブからは12日夜~13日未明に撤退したと説明した。クルディ副司令官は「攻撃を避け常に移動している」と述べ、拠点と言える場所は南部ダルアー県の丘陵地帯のみになったと厳しい状況を認めた。
水素爆発後の東京電力福島第1原発1号機(左)=福島県大熊町で2011年3月12日午後3時55分、本社機から貝塚太一撮影 政府は9日、東京電力福島第1原発事故への対応を行った原子力災害対策本部の議事概要などを公表し、事故が発生した昨年3月11日午後7時すぎに開かれた第1回会議から炉心溶融(メルトダウン)の可能性が指摘されていたことが明らかになった。翌12日正午すぎからの第3回会議でも炉心溶融を懸念して避難範囲の見直しに言及した閣僚もおり、政府が早い段階から炉心溶融の可能性を認識していたことがうかがえる。 第1回会議では、全電源が失われ、電池で動く原子炉冷却装置だけが動いていることが指摘され、この状態が「8時間を超え、炉心の温度があがるようなことになるとメルトダウンに至る可能性もあり」と報告された。ただし、この時点では放射性物質の外部放出が確認されていなかったことから「直ちに特別の行動は不要」
大阪府警でまた証拠の捏造(ねつぞう)疑惑が浮上した。福島署刑事課長だった男性警部(55)らは内部監査をすり抜けるため、強盗強姦(ごうかん)事件の犯人の遺留品とみられるたばこの吸い殻の紛失をもみ消していた。府警では6日、飲酒運転の検知したアルコール数値を水増しした容疑で泉南署警部補が逮捕されたばかり。捜査の信頼性を大きく揺るがす不祥事の続発を受け、府警内部からは「言語道断。府警全体が疑いの目で見られ、もう捜査できない」などと怒りの声が渦巻いた。 捜査関係者によると、警部は10年秋に福島署に赴任。昨年9月に大阪市内の別の警察署に異動する直前、証拠品の吸い殻の紛失を部下から伝え聞いた。内部監査の直前でもあり、府警内部では「自己保身のために捏造したのだろう」と指摘する声も多い。警部を知るある上司は「捏造は論外だ」と話した。 府警では最近、殺人事件などの重要証拠の紛失や誤廃棄など不祥事が後を絶たない
東京電力が、同社OBの受け皿となっている子会社の利益をかさ上げするため、この子会社に委託した社員専用レストランの運営を、実際は別会社に丸投げし、東電に入るべき利益が入らず、結果的に電気料金上乗せにつながったことが5日、東京都の調査で明らかになった。都は「他の子会社とも、こうした取引が常態化し、電気料金に上乗せされている」(猪瀬直樹副知事)として、近く枝野幸男経済産業相に調査を要請する。 都によると、問題の子会社は東京リビングサービス。東電独身寮の運営や旅行事業など東電の福利厚生や介護、保育園事業にも乗り出している。社員数は1000人で、10年度の売上高は約140億円。「東電OBの受け皿で、取引の7割は東電が相手」(東電関係者)という。 リビング社が、東電から運営を委託されていたのは東京・渋谷の社員専用の高級レストラン「渋谷東友クラブ」。リビング社は実際は、別の会社に高級レストランの運営業務
経済協力開発機構(OECD)は、学校教育での留年について「コストがかかるうえ教育成果の引き上げでも効果的ではない」として、廃止を求める教育政策の提言をまとめた。OECDは国際学力テスト「学習到達度調査」(PISA)を実施するなど、教育界に大きな影響力がある。大阪市の橋下徹市長は学力不足の小中学生に対する留年の検討を始めたが、留年の教育効果に批判的な提言が今後の論議に影響を与える可能性もある。 OECDがまとめたのは「教育の公平性と質-恵まれない生徒や学校に対する支援」と題する報告書。落ちこぼれを防ぎ経済成長や社会の発展につなげる教育政策を提言した。 留年の分析では、少なくとも1年留年した経験のある15歳の比率と初等中等教育への総支出に占める留年コストについて原則07年のデータを基に39カ国を比較。OECD平均は留年経験者が13%、コストが4・05%。フランスなど7カ国は留年経験者が30%を
大阪市が、市役所のサーバーに保存されている市長部局全職員の内部メールの点検調査に着手したことが分かった。橋下徹市長が問題視する職員の政治・組合活動の実態解明が狙い。調査を担当する市特別参与の弁護士がデータの提供を受けたが、この調査を市は職員に通知しておらず、識者は「職員の了解もないのは行き過ぎだ」と指摘している。 調査対象は、市長部局の職員約2万3400人が、庁内ネットワーク上で送受信した業務連絡用の内部メール。私的利用は禁止されているが、市では通常、メールの監視は行っておらず、同様の調査は初めて。サーバーの保存容量は1人当たり40メガバイトで、最大で数百通が保存されているとみられる。 市総務局などによると、市特別参与の山形康郎弁護士から要請があり、今月18、19日の2日がかりでサーバーのデータを取り出した。調査リーダーは、組合問題を担当する市特別顧問の野村修也弁護士。外部との送受信記録に
住宅火災で白煙を上げる現場。右手前は湘南新宿ラインの線路=東京都北区王子で2012年1月21日午前9時、本社ヘリから 21日午前5時50分ごろ、東京都北区王子1、アルバイト、谷本亜里紗さん(23)方から出火、木造2階建て店舗兼住宅2棟延べ計約620平方メートルを全焼した。近くに住む男女4人が煙を吸うなどして負傷し、このうち74歳の女性が意識不明の重体。火は現場に近いJR王子駅付近の鉄道の送電線に燃え移り、京浜東北線など計5路線が数時間にわたって運転を見合わせた。 現場は区立飛鳥山公園に近く、木造の居酒屋やバーが密集する飲食店街「さくら新道」の一角。谷本さんが「電気ストーブをつけたまま寝てしまった」と話しているといい、警視庁王子署が出火原因を調べている。 JR王子駅付近の送電線の一部が損傷したため、発生直後からJR京浜東北線の大宮-蒲田間と、並走する宇都宮線の上野-宇都宮間、高崎線の上野-高
20キロはある鉛板を背負いビル6階分の階段を一気に駆け上がる。首からぶら下がる線量計がけたたましく鳴り、白く曇る全面マスクが視界を遮る。気温30度以上。呼吸が乱れる。 「奴隷みたいな扱いが悔しかった」。長崎県の中山洋介さん(40代)=仮名=は昨年7月から約40日間、東京電力福島第1原発で働いた。鉛板は1号機の建屋内に放射線を(遮蔽、しゃ、へい)するために取り付ける。中山さんがその言葉を絞り出したのは、過酷な労働のせいではない。故郷に帰ってからのむごい仕打ちに対してだ。 中山さんによると、仕事を紹介されたF社から受け取った給料は日当1万1000円。約束では1万4000円のはず。そもそも事前の説明では、建屋には入らないと聞いていた。 食い下がる中山さんにF社は福岡県内の指定暴力団の名を挙げ、吐き捨てるように言った。「ヤクザが出てきても知らんばい」。F社が2社を通し労働者を送る2次下請けのC社は
高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)のナトリウム漏れ事故(95年)を巡り、内部調査を担当して自殺した動力炉・核燃料開発事業団(動燃、現・日本原子力研究開発機構)の総務部次長だった西村成生さん(当時49歳)の遺族が、機構に損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(寺田逸郎裁判長)は1月31日付で、遺族側の上告を棄却する決定を出した。遺族側敗訴の1、2審が確定した。 1、2審判決によると、動燃は事故翌日に現場をビデオで撮影したが公表しなかった。西村さんは翌月の記者会見で、ビデオの存在を内部調査チームが把握した時期について事実と異なる日付を回答し、翌日に宿泊先で自殺した。遺族側は「幹部から記者会見で虚偽の発表を強いられたのが自殺の原因」と主張したが、1、2審ともに「虚偽発表の指示はなかった」と認定した。【石川淳一】
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