つい先日、よく名前の知られている某殺人犯の死刑が執行された。それに最近死刑が頻繁に行われることもあって、死刑に関する話題がよくメディアに取り上げられている。来年から裁判員制度が導入されることもあり、一人一人が死刑制度について考える機会が多くなってきたのかもしれない。どう考えればいいか途方にくれる人もいるだろう。いろいろと話すべきことはあるが、ここでは死刑の抑止力とそれをめぐるある論争についてちょっとメモしておこうと思う。 応報論者ならば死刑に賛成するのは自然だろうが、僕は応報論者ではない。しかしもしも死刑が十分に殺人を抑止する力があるならば、僕は死刑を肯定するかもしれない。1人の殺人犯が殺されることで10人の殺人犯でない人間の命が確実に救われるとすれば、これは死刑を支持するかなり強力な議論になるだろう。逆に死刑に殺人の抑止力が認められない場合は、死刑制度の様々な問題点を考えれば、死刑を肯定