はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」 これは、私が初めて親元を離れ、一人暮らしを始めた頃の話です。 今のように、電子マネーやICカードではなく、現金決済が主流の30年前の話です… (それでは本文) 私は見知らぬ土地でバスに乗ることが苦手でした… それは運賃の支払い方法が、その街々やバス会社によって異なっている上に、全てが現金支払オンリーの世界だったからです。 私が生まれ育った街では、バスは後部にある扉から乗り込み、小さな箱から出て来る乗車券を受け取ります。 乗車券には乗車番号が書かれており、停留所を通過する度に変わる前方の料金表を見て、降車する際には、その金額を運賃箱に投函して前方の扉から降りる仕組みでした。 この運賃箱へ投下する金額は、乗車賃ピッタリでなくてはなりません。(当たり前ですが…) 足りない場合には不足料金が表示される一方で、過剰に支払ってしまった場合には、お
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