このコラムでは、架空の外食企業のクレーム対応担当者の日常を通して、最善のクレーム対応を考えていきます。 ○月×日 午後 同業者を名乗り…… 「料理の中にガラスが入っていたせいで口の中を切ったぞ」。先日、ある店舗で中年男性客が店長のA君を呼び付け、口の中から取り出したガラス片を見せた。 「バックヤードで話そうか」。この男性客はA君を連れ出すと、「ガラス片を一部飲み込んだかもしれない」などとA君を責め立てた。 「お客様。すぐに病院へ行ってください」とお願いするA君。男性客はその言葉をさえぎり、激しく叱責した。 「オレも飲食店の店長だけど、こんないい加減な店は初めてだ。余程、汚い厨房なんだろう。同業者として恥ずかしい。こんなことが世間に知れたら大変だぞ」。 「ことが重大なので、連絡先を伺い、上司と相談してから、改めて謝罪に伺いたい」とお願いするA君。 すると、男性客は「店の責任者はお前だろ。上司