戦後、「科学技術立国」として成長してきた日本だが、1990年代初頭のバブル崩壊と共に、各企業の科学技術に関する予算が削られるようになり、海外企業にシェアを奪われるケースが出てきた。日本、そして科学技術の未来はどうなるのか――。2008年にノーベル物理学賞を受賞した理論物理学者・益川敏英氏は2011年11月11日、愛知県名古屋市で講演し、科学がブラックボックス化する「科学阻害」が進んでいるを挙げ、これに対応するため、また自らの思考を飛躍させるためにも、何かを深く学んだあとには「他の学問に浮気」することを薦めた。 ■「科学阻害」が起きている 益川氏は、科学技術の現状について「"科学阻害"が起きている」と語る。自身が子供の頃には「鉱石ラジオ」を作ることを通じ、ラジオにはAM方式とFM方式があることや配線を学ぶことができたが、「最近は科学技術が高度に発展して、本当にそういう楽しみがなくなった」と言
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