IT(情報技術)を使った企業の内部監査の手法。活用すると、従来の試査(サンプリング)ではなく、精査(全件検証)によって精度を高められる。不正の抑止効果も期待されている。 企業が行う内部監査はこれまで、試査(サンプリング)によって検証するのが一般的でした。どの企業も内部監査部門の要員は少ないことが多いため、膨大な量の取引や契約内容の全件を検証(精査)するのは、時間の制約や労力の問題から現実的ではなかったからです。 そのため内部監査では、監査のテーマを決めて対象となる取引や契約内容の一部を取り出し、サンプリングの調査結果から母集団で起きている問題を統計的に推計するのが一般的です。しかも、監査の対象は文書類が中心でした。 これに対し、IT(情報技術)を使ったCAAT(コンピュータ利用監査技法)を取り入れると、全件の検証が可能になります。大量の電子データから早期に不正の兆候を発見できるようになれば