忖度(そんたく)という言葉自体に良いも悪いもない。朝日新聞デジタルに届いた多くの意見は、忖度する動機や状況、それに伴う行為が問題なのだと指摘しています。一方で、私たちは歴史的な場面に立ち会っているのかもしれないという、言葉の専門家がいます。先週、紹介した一つの意見について、寄せられた指摘についても調べました。 言葉の専門家から、「忖度」の使われ方はどう見えるのでしょうか。小学館で「日本国語大辞典」などを担当し、辞書作りひとすじ38年目の神永曉(さとる)さん(61)に聞きました。 ◇ 忖度の文字は、中国最古の詩集「詩経」に見えます。日本の文献では、平安時代、菅原道真の「菅家後集」に出てきます。その後の用例はごく少なく、明治になって増えますが、「推量する」以上の意味合いはありませんでした。全13巻に及ぶ日本最大の辞典、日本国語大辞典でも、【忖度】は「他人の心中やその考えなどを推しはかること」と
![「忖度」という言葉、意味変わり一気に浸透:朝日新聞デジタル](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/d078e1e0dfc10e05f733f8b8771c1dcb7aec0bbb/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.asahicom.jp%2Farticles%2Fimages%2FAS20170427005736_comm.jpg)