今や改善活動の代名詞となっている「トヨタ式改善」。本来は製造業の改善手法だが,IT の現場でも利用価値が高い。実際に導入して業務のムダをそぎ落とした三つのケースを紹介する。 カンバンをはじめとする「トヨタ式改善」注1は,もともと製造現場で培われた改善手法だが,今ではすかいらーくや中部国際空港,日本郵政公社など業種を問わずに導入が進んでいる。ITの現場も例外ではない。この1~2年で,富士通やNEC,NTTデータなどが相次いで開発・運用の現場にトヨタ式改善を取り入れた。 業務改善のコンサルティングを手掛けるチーム・ワーカーの面地誠二氏(代表取締役社長)によれば,トヨタ式改善の本質の一つは「ムダ取り」にあるという。本家のトヨタ自動車は,「作りすぎのムダ」や「不良のムダ」「在庫のムダ」など製造現場で生まれる「七つのムダ」を定義し,それらを徹底的にそぎ落とす対策を何重にも打っている。 ただしこれは製
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