名護市長選挙で、普天間基地の県内移転に反対する候補者が当選し、これにより06年に自公政権が米政府と合意した米軍キャンプ・シュワブ沿岸部(名護市辺野古)への移設が困難となった。 鳩山政権は移設先の見直し作業を加速させる方針だが、米側は当初の合意の履行を求めており、解決のめどは立っていない。 普天間基地問題は無数の「問題」のかたまりである。 基地そのものが地域住民の生活被害をもたらしており、その除去を求める生活者の「民意」がある。 基地経済に依存してきた沖縄の政官業複合体にとっては、基地は中央からの予算と公共投資を引き出すための「人質」である。 日本政府にとって、基地の県外国外撤去を求めるということは、沖縄米軍基地の核抑止力が戦後65年間の「平和」を担保してきたという「政治的常識」に疑問をなげかけることを意味する。 アメリカ国民にとって、西太平洋に展開する米軍基地は19世紀末の米西戦争でフィリ
甲野善紀先生を本学の特別客員教授にお招きして3年。この年度末で任期満了となる。 2月1日から3日までの集中講義が甲野先生の本学における最後の授業である。 ご挨拶に伺い、お稽古に加えて頂く。 ずいぶん多くの学生たち(および「にぎやかし」の合気道部員、杖道会員、OG、甲南合気会員)がミリアム館にひしめいて、さまざまな身体技法をあちこちで試みている。 甲野先生の講習会はだいたいこういうかたちで、「全級一斉」という指導法はなされない。 ひとりひとりが自分のペースで、自分の選んだ課題を試みる。だいたい数人のグループになって教え合ったり、批評し合ったりする。そのグループも固定していない。甲野先生が何か違うことを始めると、自然に解体して、また違う人たちとのグループが出来る。 自分の身体の内側で起きていることを「モニター」するというのが、稽古の基本であるから、外的な規制はできるだけ行わず、ひたすら自分の内
A 日新聞の取材が続いて、今回は「仕事中おじゃまします」という企画。 入試部長として執務しているところを撮影して、その仕事の苦労談を語るという趣向である。 入試のハイシーズンに、入試部長がアドミッションポリシーについて語る記事を無料で全国配信してくださるという、他大学の入試担当者が聴いたら嫉妬の余り壁をかきむしりそうなお話である。 機会を賜ったのを奇貨として、神戸女学院大学がいかにすばらしい大学であるか、高等教育の社会的責務とは何かについて持論を申し上げる。 話しているうちに、記者のかたが奇妙な動物でも見るように私をみつめている。 自分が属している組織に対して「忠誠心」を示すということは別に珍しいことではないが、学者がそういうふるまいをするのはわりと例外的だかららしい。 なるほど。そうかも。 だって、A 日新聞の記者は A 日新聞の悪口しか言わないもの、という話になる。 私が会った限りのす
読売新聞の N 田さんが『日本辺境論』の取材に来る。 N 田さんはうちの奥さんの KC 中高部のときの同級生である。 『日本辺境論』をどういう経緯で書くことになったのか、その状況的な意味は何であるのかといったことをお訊ねされる。 もうあちこちで繰り返していることであるけれど、この本を書いたのは「年を取った」からである。 年を取らないとできないことがある。 自分自身の愚鈍さや邪悪さを腑分けし吟味するというような仕事はその一つである。 若いときにこれをやると、たちまちエンドレスの自己嫌悪と自己告発になってしまう。 本人が誠実であればあるほど、うんざりするような自虐の文章が綴られる。 「私の愚鈍さと邪悪さを訳知り顔で断罪しているこの『私』なるものの審問者としての適切性は一体誰が担保しているのだ?」というような無限後退に陥るのがオチである。 だから若いときはあまり反省しないほうがよろしいといつも申
入試業務で毎日出校。 入試部長というのが、これほど打ち合わせと会議の多い仕事だとは思わなかった。 これがあと一年続くと思うとうんざりするが、これもあと一年で終わると思うと気持ちが軽くなる。 ものが考えようである。 つねづね申し上げている通り、なんでも「カウントダウン」にするというのが私の年来の流儀である。 カウントダウンすると、どうでもいいような日々のできごとが「かけがえのないもの」に思えてくるからである。 これでおしまい、二度とないと思うと、わずか10分で終わるセンター利用入試の合否判定教授会のために土曜日に稽古を休んで出校するのもまた楽しからずや(負け惜しみ)。 これまでのところ本学の今年度入試の出願状況は堅調である。 周辺校が軒並み60−80%台で前年比割れをしているなかで、前年比99.7%というのは、たいへんよい数字である。 今年どこの大学も志願者を減らしたのは、不況のせいである。
火曜日。 医学書院の月刊『看護教育』のために、甲南女子大看護リハビリテーション学部の前川幸子、重松豊美、阿部朋子のお三方プラス神戸大の岩田健太郎先生で座談会。 月刊『看護教育』の担当者は青木さんという青年。彼とははじめて。 聞けば編集長はなんと “ワルモノ” 白石さんだそうである。 いったい私に看護教育についてどのような提言を期待されているのであろうかと考えたが、何も思いつかないので、ぼおっとしたまま元町へ。 会場の Orfeu は以前、田口ランディさん、白石さんといっしょにご飯を食べに来たことがある。 最初に私のところに来た医学書院の鳥居直介くんと杉本佳子さんも『看護学雑誌』の編集者であった。 ずいぶん前の話である。 私のところに看護関係の人が話を聴きに来るのは、たぶん私が「わからないはずのことがわかる」能力の開発プログラムをひさしく主張しているからだと思う。 看護のような、身体とまぢか
一般入試 CD 日程。 AB 日程というのが1月29日30日にあって、その合否発表のあとに、2週間ほどおいて次の入試がある。 2月あたまが私学の一般入試の集中時期である。 そのときの合否の発表がもうほぼ終わっている。 2月中旬に行われるこの CD 日程は、さきに第一志望校の受験に失敗した受験生たちの「敗者復活戦」である。 すでに第一次志望校に合格したものは、出願はしたが、実際に受験には来ない。 だから、試験場の座席はけっこう「歯抜け」状態になるのがふつうである。 今年はその「歯抜け度」が小さい。 入学センターの諸君とこの「歯抜け度」の意味について考える。 あれこれ考えたが、やっぱりよくわからない。 この事態を説明する可能性として、いちばん妥当なのは、上位校が合格者を絞り込んできたせいで、現段階でまだ合格通知を手にしていない受験生がかなり多数残っていて、かつ本学が「抑え」としてそれなりに高い
「Googleは臆病だ!」検索候補が検閲されているとネット上で大騒ぎ Googleの検索ボックスに文字を入力すると、想定されるキーワードの候補を先読みして表示してくれます。 非常に便利なこの「Googleサジェスト」という機能ですが、あくまでネット上で良く検索されているキーワードなので、ネガティブだったり不快な単語が並んでしまうことも少なくありません。 この検索候補を、宗教に関するキーワードで試したところ、「Google…臆病なサービス」と揶揄されても仕方のない結果が判明し、大きな話題となっています。 「キリスト教」と入力した場合の候補 キリスト教はうそっぱちである キリスト教は宗教ではない キリスト教は嘘である キリスト教 イスラム教 ユダヤ教 キリスト教は誤りである キリスト教はカルトである キリスト教は間違いである キリスト教はフェイクだ キリスト教、イスラム教、ユダヤ教 類似点 「
943 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2010/02/12(金) 17:47:52 「言葉」です。 ほんのちょっと前まではこうだった、という変わり果てた言葉を並べてみました。 ウィンドウズと言えば「建物についている窓のことでした」 マウスと言えば「小動物のネズミのことでした」 キーボードと言えば「電子ピアノのことでした」 メモリーと言えば「愛する人と作るものでした」 ウェブと言えば「クモの巣のことでした」 ハードドライブと言えば「長距離の運転のことでした」 ドライバーと言えば「当然運転手のことでした」 プログラムと言えば「演劇やコンサートの予定のことでした」 バイトと言えば「時間給でお仕事することでした」 ウィルスと言えば「微生物の一種のことでした」 圧縮と言えば「ゴミを小さくする方法でした」 解凍と言えば「冷凍ものを溶かすことでした」 エントリーと言えば「競技や大会で名前
スウェーデンの報道姿勢から読み取れる日本のメディアの異常 「政治について(38734)」 [ 政治 ] スウェーデンの三面記事は日本人にとってはとても退屈。たまに刺激的な記事があるかと思うと、なんと昨年、起きた事件の詳細報道だったりする。その理由はこういうことだった。 彼らの報道姿勢と日本の大メディア、テレビ報道と比較し、いかに日本の大メディアが異常で社会悪かが見えてくる。 興味のある方はJournalismはデジタル販売しているので原著を当たって下さい。たった700円。 ================================================ スウェーデンの新聞から日本の犯罪報道を考える。 高田 昌幸 北海道新聞国際部次長、Journalism 2009.5 より 要約 筆者は日本の仰々しく、過激になってゆく報道姿勢に問題意識を持ち、2008
日本の大企業および公的組織における (1) 新卒採用 (2) 年功序列 (3) 終身雇用 の 3点を特徴とするいわゆる日本型雇用について考えてみます。 この制度、いろいろ批判があるにも関わらず今のところ大きく揺らいではいません。 その理由を、判例法である解雇規制のせいにする意見があるんですが、ちきりんは、民間大企業の日本的雇用が崩れない理由がそれだとは思っていません。 だって大企業は法律があろうとなかろうと、やりたいことはやるし、やりたくないことはやらないもん。 実際、残業代を払わない(サービス残業)、実質的に有給休暇を取得させない、偽装請負に近いような非正規社員の使い方をするなど、たとえ法律違反でも大企業は平気でやってのけてる。 現実において、彼らが労働法規をそんな厳密に気にしているとは思えません。 大企業は、解雇規制があるからイヤイヤ“日本的雇用”を維持しているのではなく、自分達にとっ
国家戦略室への提言「まず、デフレを止めよう~若年失業と財政再建の問題解決に向けて」(PDF資料) 11月5日午後6-7時の時間帯で、国家戦略室の「マーケット・アイ」ミーティングにおいて、上記資料をもとにプレゼンテーションを行いました。 私たちの施策について、会うまでは選択肢としてほぼゼロだったのが、施策としての可能性が出てきた、というのが印象です。 実際に、プレゼン後の感想でも、菅大臣から「興味ある。どうしようかな」という発言があったそうです。それだけでも、行ったかいがあったと思います。 プレゼンで行った、主たるポイントは以下の通りです。 ・(P1)デフレ脱却こそが、ボーリングの1番ピンである。ここを倒さずして、他の施策を行っても、効果は限定的。これから、15分間、この話しかしないと宣言。 -この点は、例えはこの日にプレゼンを行ったもう一人のエコノミスト、高橋進氏も同意見 -Twitter
タバコ礼賛の批判を受け、販売中止になった児童書について。結論は次の通り。販売中止はやりすぎ。タバコを子どもから隠したってタバコそのものは無くならないから。むしろ、子どもとタバコについて話し合うきっかけにしたい。 わたし自身、ヘビースモーカーから卒煙したこともあって、「吸う権利」と「嫌煙権」のどちらの意見も耳に痛い。おたがい配慮しあっていけたらいいのにと願うのだが、「禁煙ファシズム」 などの先鋭化した言説が飛び交っている。なかでも、タバコ礼賛の表現が不適切だとの指摘により、販売中止になった児童書がある。「おじいちゃんのカラクリ江戸ものがたり」という。これは喫煙礼賛のプロパガンダであり、健康被害の配慮に欠けるものだという主張があったようだ。福音館書店の「おしらせ」にはこうある[URL]。 喫煙による健康被害と受動喫煙の害についての認識が足りず、このような表現をとってしまったことは、子どもの本の
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