香川県立中央病院(高松市)で起きた体外受精卵の取り違えでは、県が調査を進めているが、多くの疑問点が浮上している。 ◆なぜ単独作業なのか◆ 川田清弥(かわだきよや)医師(61)は同病院で約1000例の体外受精を手がけたが、大半が単独作業だったという。同病院には胚(はい)培養士の資格を持つ臨床検査技師が3人おり、2人は体外受精も担当していた。取り違えがあった昨年9月18日も胚培養士は他の業務をしていた。 ◆なぜ不安募ったか◆ 川田医師は21日の読売新聞の取材に「受精卵の成長の具合が良く、移植できると気持ちがはやった」と話した。しかし、「妊娠後の経過があまりにも順調過ぎ、疑問がわき起こった」(20日夜の記者会見)と、気持ちは変化したという。 なぜ確証もないのに不安がそこまで募るのか。大阪市内で不妊治療を手がける西川吉伸医師は「受精卵や妊娠の状態だけから、別人のものと見分けるのは不可能。