スポーツで、障害のある選手とない選手が一緒にプレーすることはどこまで可能なのか――。今年4月、東京都中学校体育連盟(中体連)のテニスの都大会予選で、車いすの女子選手がひとつの「壁」を破った。出場が認められ、2勝した。車いすの選手が出場したのは関係者によれば「初めて」。だが、破れなかった「壁」もあった。その壁とは何だったのか。【五十嵐朋子】 障害のあるなしに関係なく同じ舞台でプレーすることは「インクルーシブ」(「包括的な」という意味)と呼ばれる。 公式種目ではないが、テニスでは、車いすの選手と障害のない選手がペアを組む「ニューミックス」という形式がある。国枝慎吾選手と錦織圭選手がペアを組んでエキシビションマッチを披露するなど、その活動は広がりつつある。 だが、公式戦では難しい。車いすや義足などの道具を巡って「公平性」が議論になるためだ。 2012年のロンドン五輪。陸上男子400メートルなどに