キュレーションという言葉を初めて耳にしたのは、一年ほど前のことだったと思う。そのころは抽象的なイメージでしか捉えられなかったこの概念も、今ではすっかり根付いたように思う。最近思うのは、優れたキュレーターであり続けるためには、他の優れたキュレーターをどれほど把握しているかが鍵になってくるのではないかということだ。時代は今、キュレーターそのものをキュレーションする、メタ・キュレーションの段階へ突入しているのかもしれない。 そんなキュレーションの高みを目指す人に取って、本書の著者の名前は憶えておいて損はない。日本ダム協会認定のダムマイスター、宮島 咲氏。ダムマニアとして、日本各地のダムを魅惑の土木ワンダーランドとして伝えている方だ。 本書の大半は、ダムのグラビアで占められている。その一基一基の写真にキャッチコピーがついており、そこはかとなく情感に訴えてくる。一口にダムと言っても、その目的や歴史は
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