過去10回の「M―1グランプリ」の立役者と言えば、このコンビしかいない。2010年、第10回王者の笑い飯。第2回から9回連続で決勝に進み、2位も3回、3位が1回。大舞台を何度もわかせた哲夫(40)と西田幸治(41)に聞いた。 2人が交代しながら競うようにボケる“Wボケ”漫才は、M―1で全国にとどろいた。だが笑わせても笑わせても頂点には届かない。1票差でフットボールアワーに敗れた第3回のこと。「優勝せえへんやろなあ、と思いながら笑い飯に入れたんや」。審査員の島田紳助の言葉を哲夫は覚えている。西田も「紳助さんには『お前ら優勝する気ないよなあ』ともよう言われました。いや、あるんですけどって」。 その紳助が唯一、100点満点を入れたのが第9回で披露した「鳥人(とりじん)」。人間の体に鳥の頭がついた英国紳士風の空想キャラクターネタだ。前年に笑いどころを格段に増やす作戦で優勝したNON STYLEとは