私が平安時代の文化、風俗そして古典文学に興味を持ったきっかけは、子どもの頃に読んだ漫画『あさきゆめみし』(大和和紀)であった。源氏物語がこんなにも面白いのだと知り、図書館で今度は漫画ではない源氏物語の訳本を探して読みふけった。同じく「あさきゆめみし」からそうした道を辿った友達数人と、どの作家の訳本が一番好きかなどを語り合った日々が懐かしい。 少女の私たちを夢中にさせた源氏物語、それを世に送り出した約1000年前の作家・紫式部が今年の大河ドラマ『光る君へ』の主人公である。 私は子どもの頃からの大河ドラマファンでもあって、さまざまな作品に登場した人物に親しみを覚えて本でその人々のことを調べ、博物館の展示で名前を見つけて胸躍らせたりしていた。 今年の大河ドラマをきっかけに、平安時代と古典文学の世界に飛び込む少年少女がひとりでも増えたらいいなと願っている次第だ。 さあ、これから一年どんな物語が繰り