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ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (713)

  • 世界一黒い触れる素材、「至高の」暗黒シートを開発、産総研など

    可視光を99.98%以上吸収しほとんど反射しない「至高の暗黒シート」を産業技術総合研究所と量子科学技術研究開発機構の研究グループが開発した。カシューナッツの殻から抽出したポリフェノール類の「カシューオイル」の樹脂を利用。同じグループが2019年に開発した「究極の」シートを超えた黒さで、耐久性も良く、触れる素材では世界一の黒さとなった。 反射の少ない黒色材料は装飾や映像、太陽エネルギー利用、光センサーなど多分野で利用され、優れた材料が切望されている。炭素でできた円筒状の物質、カーボンナノチューブでできた材料はあらゆる光を99.9%以上吸収し世界一とされてきたが、触ると壊れてしまい実用が難しかった。 研究グループは2019年に「究極の」暗黒シートを発表した。これは加速器からイオンビームを照射するなどして、カーボンブラック顔料を混ぜたシリコーンゴムに微細な円すい状の凹凸を作り、ここに光を閉じ込め

    世界一黒い触れる素材、「至高の」暗黒シートを開発、産総研など
  • ドイツ発祥でナチスが再興、クリスマスマーケットの驚きの黒歴史

    ドイツ、アンベルク・ブッフホルツの歴史的広場で毎年開催されるクリスマスマーケット。(PHOTOGRAPH BY JAN WOITAS PICTURE ALLIANCE/GETTY IMAGES) クリスマスの時期になると、ヨーロッパでは各地にクリスマスの市が立ち、街は様変わりする。建物はきらびやかなイルミネーションで飾られ、手彫りのオーナメントやクリスマスの置物、熱々のホットワインを売る屋台が立ち並び、クリスマスキャロルが流れる。クリスマスマーケット発祥の地であるドイツだけでも、毎年2500~3000ものマーケットが開催されている。新型コロナウイルス感染症の影響で過去2年間中止されていたが、今年はそれが3年ぶりに街に戻ってきた。 歴史家たちは、ドイツの古い街の広場で行われてきたクリスマスマーケットという文化的伝統は中世の大聖堂や古代ローマの遺跡と同じように保護されるべきものだとして、ユネス

    ドイツ発祥でナチスが再興、クリスマスマーケットの驚きの黒歴史
  • 2022年の驚くべき発見22 人類の知はこれだけ広がった

    毎年、世界中の研究者が、人類の知の蓄積に貢献している。 古生物学者や考古学者は過去の痕跡から、はるか昔に失われた生命や文明を明らかにする。生物学者や地球科学者は地球とこの星に暮らす生命の仕組みを解明し、天文学者は地球の外に広がる謎を追求する。そして医学者は、人体の複雑さとそれを脅かす病気を研究し、人類という種を守るための新たな手段を開発する。 人類の絶え間ない探求と実験からもたらされる発見は、予想もしなかったようなものであることも少なくない。今年、特に大きな驚きとなった発見を以下にまとめた。

    2022年の驚くべき発見22 人類の知はこれだけ広がった
  • 【解説】死んだブタの臓器を回復させる衝撃の新技術「OrganEx」

    米エール大学の研究者らは、死後1時間が経過したブタの脳細胞を「かろうじて生きている」状態まで回復させた。写真は今回の研究対象となったブタの脳と、細胞死を遅らせる「OrganEx」の青い溶液。(PHOTOGRAPH BY MAX ALGUILERA-HELLWEG, NATIONAL GEOGRAPHIC) 栄養とタンパク質と薬剤が入った混合液を送り込んで、死後数時間が経過したブタの脳を回復させたとき、米エール大学の神経科学者ネナド・セスタン氏は、生と死を分かつ境界線は考えていたほど明確ではないと悟った。実験の目的は、脳を生き返らせることではなく、脳内の結びつきの研究だったが、2019年にこの衝撃的な研究結果を発表するやいなや、彼の研究室には世界中から問い合わせが殺到した。(参考記事:「死んだブタの脳を回復、脳死の定義ゆるがす研究」) 「エール大学の同僚をはじめ、いろいろな人たちがやってきて

    【解説】死んだブタの臓器を回復させる衝撃の新技術「OrganEx」
  • 指が5本になる謎解明 細胞を増殖させるタンパク質の濃度が関係

    哺乳類の多くは5指構造だが、進化の過程で環境に応じて指の形や数を変えてきた。馬は大草原を速く走れるように5指の一部を残し、残りを退化させてひづめの形になったとされる。ほとんどの犬は前足が5指、後ろ足が4指だが、前後とも5指、4指の犬種もある。 SHHは組織の再生やがんの形成にも関係する重要なタンパク質。胎児期に指などの器官ができる際にSHHが細胞の増殖や分化、四肢の発生を促すことが知られている。 濃度勾配は一定の領域内に濃度の濃淡があることで、液体などの中で濃度が異なる部分があると「濃度勾配がある」と表現される。組織内、細胞内のSHHの濃度勾配は器官ができる上で重要な役割を果たしているとされながら、濃度勾配がどのようにできるかは分かっていなかった。 東京大学大学院医学系研究科の廣川特任研究員らの研究グループは、細胞内で物質を輸送する重要な働きをしている「分子モーター」と呼ばれ

    指が5本になる謎解明 細胞を増殖させるタンパク質の濃度が関係
  • 若い女性600人を殺害「血の伯爵夫人」バートリ・エルジェーベト

    「血の伯爵夫人」としても知られるバートリ・エルジェーベトは、史上最も多くの人を殺した女性連続殺人犯であるとされ、数百人の若い女性を拷問にかけ、殺害したと言われている。(PHOTOGRAPH BY KEITH CORRIGAN, ALAMY STOCK PHOTO) 血と拷問とセックスに彩られたその陰惨な物語は、近年の研究により、さまざまな議論の的となっている。ハンガリーの伯爵夫人バートリ・エルジェーベト(1560〜1614年、エリザベート・バートリとも)の人物像については諸説があり、殺人にとりつかれた狂人とされる一方で、彼女の財産を狙う家族や敵対者によって罪を着せられた犠牲者とも言われる。 バートリは一般に、史上最も多くの人を殺した女性連続殺人犯であるとされ、豪奢な城の中で600人以上の若い女性を殺したと言われている。伝承によると、バートリは処女の血に自分の体を浸すことで永遠の若さを保つこ

    若い女性600人を殺害「血の伯爵夫人」バートリ・エルジェーベト
  • ネコは飼い主の「声」と「ネコ語」をわかっている、研究

    イエネコ、ロケットのポートレート。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK) ネコと一緒に暮らしている多くの人がそうであるように、筆者も枕元で眠る小さな肉動物によく話し掛ける。ほとんどの場合、枕元のオフィーリアには、餌がほしいのか、それとも添い寝してほしいのか尋ねる。間違いなく、オフィーリアは筆者の声を聞いている。筆者が口を開くとすぐ、まるで毛むくじゃらのパラボラアンテナのように、大きな耳をこちらに向けるためだ。 ただ、他ならぬ飼い主に自分が話しかけられているということを認識しているのかどうかは、定かではなかった。実は、ネコが飼い主の声を聞き分け、さらに反応することを示した研究はほとんど存在しない。だが、10月25日付けで学術誌「Animal Cognition」に発表された研究は、おそらく認識していることを示唆

    ネコは飼い主の「声」と「ネコ語」をわかっている、研究
  • 「女性初」を重ねた登山家、ヒラリー・ネルソンを悼む

    ヒラリー・ネルソンは世界で最も優れたスキー登山家の一人だった。40回以上の遠征を重ね、女性として初めての滑降を何度も成し遂げた。「私たちは男性と同じように闘うことができます」とネルソンは語っていた。(PHOTOGRAPH BY JIMMY CHIN) 2022年9月26日、米国のスキー登山家ヒラリー・ネルソンとパートナーのジム・モリソン氏が、標高8163メートルの世界で8番目に高い山、マナスルに登頂した。49歳のネルソンがスキーで下山を始めた直後、小さな雪崩を引き起こし、その雪崩に飲み込まれてしまった。その2日後、モリソン氏がネルソンの遺体を発見した。 スキー登山家のヒラリー・ネルソンはかつて、熟考のうえ、こう語った。「人生において、私たちはしばしば安全策を取り、特に欧米では、身の回りのすべてを安全で快適なものにしたがります。その結果、行き先が見えるような選択が可能になるのですが、私の場合

    「女性初」を重ねた登山家、ヒラリー・ネルソンを悼む
  • アイルランド最大級の考古学的発見 ピラミッドより古い遺跡へ

    アイルランド沿岸のケイジ・フィールズは、世界最大級の石器時代の遺跡のひとつだ。かつて泥炭地に埋もれていたこの遺跡に新たにできた体験型観光施設では、6000年以上前に人々がこの地でどのように耕作を行い、どうやって物を保存していたかを体験できる。(PHOTOGRAPH BY GARETH MCCORMACK, ALAMY STOCK PHOTOS) アイルランド西部のメイヨー県のバリーキャッスルとベルマレットの間には、ドラマチックな断崖と大西洋に挟まれた、広さ13平方キロメートルに及ぶ湿原が広がっている。木々がほとんどなく、丘も高くはないため、何もない土地のように見える。が、この孤立した海岸には「アイルランド最大の考古学的発見のひとつ」と称される遺跡がある。 アイルランドには、はるか昔の社会を垣間見せてくれる泥炭地がいくつかある。そこから、聖杯や大量の金製品、中世の詩篇書といった宝物、200

    アイルランド最大級の考古学的発見 ピラミッドより古い遺跡へ
  • 人工甘味料が腸内細菌を乱すと判明、健康に悪影響の恐れも、研究

    甘さがきび砂糖の数百〜数千倍に及ぶものもある人工甘味料は、一般に人の体内では処理されない。カロリーがゼロであるか、少ししかないのはそれが理由だ。(PHOTOGRAPH BY TRISTAN SPINSKI) ダイエットをうたう炭酸飲料を飲んで、砂糖に付き物のうしろめたさやカロリーを気にせずに甘さを堪能する。その快感は多くの人が経験したことがあるだろう。しかし、新たな研究によると、人工甘味料はかつて考えられていたほど無害ではなく、それどころか糖尿病や体重増加のリスクを高めるかもしれない。 科学者らは以前より、人工甘味料と人間の糖尿病との関連を疑ってきたが、これまでは実験用のマウスでしか証拠は示されていなかった。今回、イスラエルの科学者たちが、同様の試験を人間で行ったところ、人工甘味料は人間の腸にすむ細菌の働きを妨げるのみならず、後に血糖値を下げにくくする可能性があることがわかった。血中にブ

    人工甘味料が腸内細菌を乱すと判明、健康に悪影響の恐れも、研究
  • 【動画】巨大クジラが300頭を超える「大宴会」、撮影に成功

    これまで撮影されたなかでは最大規模を誇る、300頭超のナガスクジラの群れが採餌する様子。撮影者が「昔の海戦で砲弾が炸裂しているよう」と言うシーンは1:02前後から。映像はディズニープラスで配信中のナショナル ジオグラフィックの新番組、「バーティーのハイテク・アドベンチャー」用に撮影された。(解説は英語です) ナガスクジラ(Balaenoptera physalus)は体長20メートル以上、体重はおよそ80トンにもなる、地球で2番目に大きな哺乳類だ。しかし20世紀中に南半球だけでも70万頭以上が主に鯨油目的で乱獲され、ほんの数十年前まで絶滅が危ぶまれていたため、大群で餌をべる光景はもはや過去のものと考えられていた。 ところが今回、科学者と映像制作者から明るいニュースがもたらされた。300頭強の大群が、かつての餌場である南極海で餌をべる様子が記録されたのだ。 クジラが海面から潮を噴き上げる

    【動画】巨大クジラが300頭を超える「大宴会」、撮影に成功
  • 身近な「植物由来成分」に隠された乱獲や強制労働、FAOが報告書

    品、化粧品、医薬品など様々に利用される野生植物。しかし、その産地や収穫方法について、人々の関心は薄い。写真は上段左からブラジルナッツ、リコリス、下段左から乳香、ゴールデンシール、アラビアガム。(Photograph by Rebecca Hale) チョコレートや保湿剤、お茶など、われわれが日常的に使っている製品には、野生の植物から抽出された成分が含まれている。しかし、その中には絶滅が危ぶまれている植物や、不当な労働によって採取されている植物もあることが、最近の報告書で明らかになった。 報告書は、国連糧農業機関(FAO)が野生生物取引の専門家らと提携してまとめたもの。乳香やブラジルナッツ、甘草(リコリス)など、12種類の植物に焦点を当てている。 家庭用品に含まれる植物由来成分は「レーダーをすり抜けてしまう」ことが多いと、今回の報告書の主執筆者で、野生生物取引を監視する非営利団体「トラフ

    身近な「植物由来成分」に隠された乱獲や強制労働、FAOが報告書
  • アフリカ最古、2億3000万年前の恐竜化石が見つかる

    2億3000万年前、現在のジンバブエ北部にあたる地域を流れていた網目状の河川系に、竜脚類の遠い祖先が生息していた。ムビレサウルス・ラーティ(Mbiresaurus raathi)と命名されたこの恐竜の骨は、アフリカ最古の恐竜化石だ。(ILLUSTRATION BY ANDREY ATUCHIN) アフリカ南部のジンバブエで、三畳紀にあたる約2億3000万年前の恐竜の化石が発見された。骨格は驚くほど完全に近く残っていたうえ、アフリカで発見された恐竜の化石の中では最も古い。2022年8月31日付けで学術誌「ネイチャー」に発表された。 この恐竜は、竜脚類の最古の祖先の1つだという。竜脚類は長い首をもつ恐竜で、ブラキオサウルスやブロントサウルスなどが有名だ。陸上を歩いた動物の中では地球史上最も大きく、体重が60トン以上になるものもいた。しかし、今回発見された竜脚類の祖先は、死んだ時点でほぼ成熟して

    アフリカ最古、2億3000万年前の恐竜化石が見つかる
  • 36時間2092枚の撮影で創る1枚 写真家が伝えたいこと

    【動画】写真家のスティーブン・ウィルクス氏がナショナル ジオグラフィック2022年9月号の表紙写真の撮影秘話を紹介。ベアーズ・イヤーズ国立モニュメントで時間の流れを1枚の写真に収めるため、どのような困難を乗り越えたかを語っている。(解説は英語です) ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラーであるスティーブン・ウィルクス氏が10年以上にわたって取り組んでいるプロジェクト「Day to Night(昼から夜へ)」は、粘り強さの賜物(たまもの)だ。 雄大な自然が相手だけに、まず撮影現場にたどり着くまでにしばしば苦労する。そして、撮影では、何時間も、ときには丸一日以上、カメラを構え続ける。昼から夜へと移り変わる時間を1枚の合成写真で表現するため、同じ風景を何千枚も撮影するのだ。ナショナル ジオグラフィック2022年9月号の写真撮影では、ピューマに追跡されながら、すねまで泥につかり、米国ワシン

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  • バイソンが草原に戻ると植物種が86%も増える、30年かけて究明

    カンザス州カントンのマックスウェル州立動物保護区に立つ野生のアメリカバイソン。カンザス州には、トールグラス・プレーリーという危機にひんする生態系も存在する。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 過去29年間、米国カンザス州東部に広がるトールグラス・プレーリー(丈の高い草が広がる草原)の同じ区画を年2回ずつ歩き、見つけうる限りの植物種を集計してきた科学者たちがいる。その目的は、アメリカバイソン(Bison bison)と家畜のウシが生態系に与える影響を、これらの草動物がいない同様の区画と比較して明らかにすることだった。 暑くて、根気のいる、ダニだらけの仕事だが、とても重要な仕事だ。かつてトールグラス・プレーリーは南部のテキサス州の大部分から、さらにカナダ南部にまで広がっていた。それが今やかつての4%しか残っていない。腰

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  • 「人工島で国土倍増」のバーレーン 海洋生物の行方は?

    バーレーン南端の沖合の人工島群、ドゥラット・アル・バーレーンでは、10年以上前から建設工事が続いている。この写真は、2021年に国際宇宙ステーションから撮影された。ペルシャ湾の島国バーレーンは、さらに多くの人工島を建設しようとしている。(PHOTOGRAPH BY SERGEY KUD-SVERCHKOV, ROSCOSMOS VIA NASA)

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  • 恐竜の滅亡に第2の小惑星衝突が関与していたか、痕跡を発見

    小惑星衝突の断面図。約6600万年前に現在のメキシコ沖に衝突してチクシュルーブ・クレーターを形成した小惑星は、当時生息していたすべての生物種の4分の3を絶滅させた。このほど西アフリカの海岸で新たな衝突クレーターらしき構造物が発見され、大量絶滅の物語に新たな展開がもたらされた可能性がある。(ILLUSTRATION BY CLAUS LUNAU, SCIENCE SOURCE) 今から約6600万年前、地球上の生命の歩みは永遠に変わってしまった。メキシコのユカタン半島の海岸に直径10キロメートルの小惑星が激突したからだ。 大津波が押し寄せ、大地は燃え広がり、岩石の蒸発によって放出されたガスは気候を激しく変動させた。これらの天変地異により、ほとんどの恐竜(非鳥類型の恐竜)を含む全生物種の約75%が絶滅した。(参考記事:「小惑星衝突「恐竜絶滅の日」に新事実、1600km先のガスが155℃に」)

    恐竜の滅亡に第2の小惑星衝突が関与していたか、痕跡を発見
  • 太陽の光に隠れて見えない小惑星、地球衝突のリスクは?

    米国カリフォルニア州にあるパロマー天文台。口径1.22メートルの望遠鏡に取り付けられた掃天観測施設ZTFの6億500万画素のフィールドカメラは、毎晩、全天を観測している。最近、この装置を使った観測により、常に金星軌道の内側を回っている小惑星が初めて発見された。(PHOTOGRAPH BY BILL ROSS, GETTY IMAGES) 太陽系の中心をかすめ、太陽の光に隠れ、ときに地球などの岩石惑星に接近する不思議な小惑星群がある。その中でも最もよく知られているのが、2年前に発見された小惑星「アイローチャクニム(ꞌAylóꞌchaxnim) 」。米国カリフォルニア州の先住民パウマの人々の言葉で「金星の女の子」を意味する名前だ。 アイローチャクニムは、これまで知られているなかで唯一、常に金星の公転軌道より内側にある小惑星だ。地球からは非常に見えにくい位置にあり、地球上の生命を脅かす可能性があ

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  • 火星サンプルリターン計画をNASAが大幅に変更、なぜ?

    火星への打ち上げ前、米カリフォルニア州にあるジェット推進研究所の真空室で、ヘリコプター「インジェニュイティ」の体に熱対策を施すNASAの技術者たち。2021年4月の火星での初飛行以来、インジェニュイティは29回の飛行をこなし、火星の空をのべ6km以上飛行した。(PHOTOGRAPH BY NASA/JPL-CALTECH) 米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)は、火星の地質と生命の痕跡について調べるため、2030年代初頭に岩石サンプルを地球に持ち帰る火星サンプルリターンミッション(MSR)を共同で進めている。 2021年2月に火星に降り立ったNASAの火星探査車「パーシビアランス」は、すでにジェゼロ・クレーターから岩石サンプルを採取する作業に取りかかっている。科学者たちは、ジェゼロ・クレーターは火星の生命探査に最適な場所の1つだと考えている。ここにはかつて深い湖があったと考え

    火星サンプルリターン計画をNASAが大幅に変更、なぜ?
  • ネパールのトラが13年間で約3倍に、ただし住民の犠牲者も増加

    ネパールのトラ保護区のひとつ、バルディア国立公園の浅瀬を歩くベンガルトラ。(PHOTOGRAPH BY UTOPIA_88, GETTY IMAGES) ネパールが、トラ保護の首位を独走している。 7月29日、ネパールは絶滅危惧種であるトラが国内に355頭いることを確認したと発表した。2009年の推定数121頭から約3倍に増えたことになる。(参考記事:「動物大図鑑:ベンガルトラ」) 2010年にロシアで開かれた世界トラ保護会議「トラサミット」では、野生のトラが生息する13カ国すべてが頭数を倍に増やす目標に合意した。ネパールだけがこれを達成した。 成功の主な要因は、トラの保護に「政府が自ら積極的に取り組む姿勢を示し」、厳しい密猟取り締まり政策を実施していることだと話すのは、野生ネコ科動物の保護団体「パンセラ」のトラ部副部長アビシェック・ハリハル氏だ。パンセラは、ネパール政府による最近のベンガ

    ネパールのトラが13年間で約3倍に、ただし住民の犠牲者も増加