長野県の諏訪湖には、古くからある伝説が残されている。それは諏訪湖に武田信玄の墓があるという伝説である。 武田信玄といえば全国的にも有名な甲斐の戦国武将であり、信州の諏訪はそもそも戦国武将である諏訪頼重の領地だった。信玄は、1542年7月に降伏して甲府に連行されていた諏訪頼重を自刃させて、諏訪領を制圧した。 武田信玄は1573年4月12日に甲斐に戻る道中にて死亡したが、その死ぬ前に遺言を残したといわれている。 その内容とは、武田信玄の死は3年間隠蔽すること。その遺骸は具足を付けて諏訪湖に沈めることを言い残したという。諏訪湖に遺骸を沈めるという話は、武田家の逸話や軍法などを記した甲陽軍鑑にも残されている。 一方の諏訪湖に伝わる伝説の中にも、1576年4月12日の夜中に、石棺が静かに沈められたという。その際、侍たちの松明の赤い光に照らされて、赤い泡を吹き出しながら諏訪湖の湖底に沈んでいったと伝え