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ブックマーク / univ-journal.jp (68)

  • 長時間労働は睡眠と食事を悪化させてメンタルヘルスに悪影響を及ぼす

    長時間労働がメンタルヘルスに悪影響を与えるといわれるが、残業自体ではなく、長時間労働による睡眠不足と不規則な事がメンタルヘルスを害していることが、東京医科大学精神医学分野の渡邉天志医師、志村哲祥医師らの研究で明らかになった。 その結果、長時間労働は心身のストレス反応に直接影響しないことが分かった。しかし、長時間労働が事の不規則さや睡眠時間の短縮を招き、それらがうつや心身のストレス反応を引き起こしていた。 研究グループは労働時間の短縮が実現しても、睡眠不足や不規則な事が続けば症状が改善しないが、長時間労働が続いても睡眠時間が確保され、事が規則正しく摂取できれば、メンタルヘルスへの影響を限定的な範囲に抑えられるとみている。 ただ、今回の研究では因果関係の証明はできていない。研究グループは後続の研究で因果関係の解明を期待している。 論文情報:【International Journal

    長時間労働は睡眠と食事を悪化させてメンタルヘルスに悪影響を及ぼす
  • 世界で初めて、革新的「デトネーションエンジン」の宇宙飛行実証に成功

    名古屋大学のグループと慶應義塾大学、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、室蘭工業大学らは、世界で初めて「デトネーションエンジン」の宇宙飛行実証に成功したことを発表した。 研究で開発されたデトネーションエンジンシステムは、観測ロケットS-520-31号機のミッション部に搭載され、2021年7月27日午前5時30分にJAXA内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられた。第1段のロケット分離後、回転デトネーションエンジン、パルスデトネーションエンジンはフライト環境に耐えて宇宙空間で正常に作動した。これらエンジンの作動データ(画像、圧力、温度、振動、位置、姿勢データ)は、テレメトリ(内之浦宇宙空間観測所の宮原テレメータセンターへのデータ送信)及び「展開型エアロシェルを有する再突入カプセルRATS」の洋上回収によって取得された。 デトネーションエンジンは極めて高い周波数(1~100kHz)でデトネーション

    世界で初めて、革新的「デトネーションエンジン」の宇宙飛行実証に成功
  • 国立大学法人法が一部改正、2022年4月より奈良国立大学機構設立へ

    奈良県にキャンパスを置く国立大学の奈良教育大学と奈良女子大学の統合を含む国立大学法人法の一部改正案が参議院で賛成多数により可決、成立した。これにより、両校は法人としての奈良教育大学を奈良女子大学に統合する形で2022年4月、国立大学法人奈良国立大学機構を発足させる。 法案成立を受け、奈良教育大学の加藤久雄学長、奈良女子大学の今岡春樹学長は「両校はそれぞれの自律性を維持しながら、強みとブランド力を生かして社会の要請に応えられる法人運営を目指す」とする談話を発表した。 法人統合は少子化が進む中、大学の競争力を強化し、経営効率を高めるのが狙い。将来的には奈良先端科学技術大学院大学、奈良工業高等専門学校、奈良文化財研究所、奈良国立博物館の国立4機関と連携し、教育研究の場である「奈良カレッジズ」を構築する構想も持っている。 文部科学省によると、大学に進学する18歳人口は2017年で120万人を数えた

    国立大学法人法が一部改正、2022年4月より奈良国立大学機構設立へ
  • 自分の顔を優先処理する脳の仕組み、大阪大学が発見

    大阪大学大学院の中野珠実准教授らの研究グループは、潜在意識に入った自分の顔の情報がドーパミン報酬系を活性化させることを世界で初めて明らかにした。 そこで研究グループは、サブリミナルに表示された自分の顔と他者の顔に対する脳の活動を、機能的磁気共鳴画像法を用いて調べた。すると、自分の顔が表示されたことに気づいていないにも関わらず、自分の顔に対して、脳の深部にある腹側被蓋野という領域が強く活動することを発見した。この腹側被蓋野はドーパミンを放出し、やる気を引き出す報酬系の中枢。このドーパミン報酬系が働くことで、自分の顔の情報に対して自動的に注意が向き、反応が促進されるため、自己顔の優位効果が生じると考えられるという。 さらに、写真の加工により表示する顔の目やあごの大きさを変えても、自分の顔に対する腹側被蓋野の活動は高いままだった。このことから、潜在意識レベルでは、顔のバランスではなく、目や鼻など

    自分の顔を優先処理する脳の仕組み、大阪大学が発見
  • 目に入れるだけで立体像が見える!AR表示コンタクトレンズの開発に成功 東京農工大学

    目に入れるだけで立体像が見える!AR表示コンタクトレンズの開発に成功 東京農工大学 大学ジャーナルオンライン編集部 東京農工大学の研究グループは、目の中にコンタクトレンズを入れるだけでAR(拡張現実)表示が可能となる革新的な「ホログラフィック・コンタクトレンズディスプレイ」の開発に成功した。 ホログラフィーは、物体から発せられる光の波面を発生することで、立体表示を行う技術である。ホログラフィック・コンタクトレンズディスプレイは、目から離れた位置にある物体からの波面をコンタクトレンズ内の表示デバイスで発生する仕組みで、物体からの波面を再現するため、目は実物に対するのと同じように立体像に対して自然にピント合わせができる。 コンタクトレンズの厚さは一般に0.1mm程度と薄く、これに内蔵できる構造の実現も課題とされたが、光の波面を制御する位相型空間光変調器をレーザー照明するバックライトの厚さを、ホ

    目に入れるだけで立体像が見える!AR表示コンタクトレンズの開発に成功 東京農工大学
  • 帝京大学、放送大学と単位互換協定を締結

    帝京大学は、2020年12月14日、放送大学との間に単位互換協定を締結した。 帝京大学では、変化の激しい現代において、どのような状況においても授業の継続が可能となるよう、大学のオンライン授業以外に、テレビ、ラジオ、インターネットを通して学習を行う放送大学の授業も取り入れることにした。放送大学の単位互換の実施により、学生の履修科目の選択の幅が今まで以上に広がり、より充実した学習機会を提供する。 参考:【帝京大学】帝京大学が放送大学との間に単位互換協定を締結しました 一人ひとりの才能を開花させ、「自分流」の未来を切り拓く 5つのキャンパス(板橋、八王子、宇都宮、福岡、霞ヶ関)に文系・理工系・医療系の10学部33学科(通信含む)、幅広いフィールドを擁する総合大学。帝京大学には、学生一人ひとりの才能を開花させ、「自分流」の未来を見つける環境があります。実践を通して論理的な思考を身に[…] →帝京大

    帝京大学、放送大学と単位互換協定を締結
  • 世界一秩序のあるガラスを合成し、構造解明に成功

    京都大学をはじめとする国際共同研究チームが、世界一の構造秩序を持つガラスの合成および構造の解明に成功したと発表した。 今回、研究者らは、大型放射光施設SPring-8をはじめとする量子ビーム施設を利用した実験から、1200℃かつ7.7万気圧という高温・高圧下においてシリカ(SiO2)ガラスを合成すると、現在までに報告されているガラスの中で最も間隔が揃っている、すなわち世界一構造秩序のあるガラスができあがることを発見した。最先端のトポロジカル解析により、ガラスのもつ原子のリング構造が高温での圧縮によって変形しつつ形成されることで、原子配列が秩序化されるというメカニズムも突き止めた。 また、世界一構造秩序のあるガラスの原子の動きを測定したところ、同じ組成・密度の室温で合成された構造秩序がないガラスとは異なることがわかり、ガラスの原子の動き方が構造秩序によっても大きく影響を受けることを見出した

    世界一秩序のあるガラスを合成し、構造解明に成功
  • 秘訣は“凍らせること” 環境にやさしく高強度なゲル材料の開発に成功

    凍らせて、混ぜて、溶かすだけというごく簡単な工程で得られ、かつ環境にやさしい高強度ゲル材料を、日原子力研究開発機構、東京都立産業技術研究センター、東京大学のグループが開発した。 この課題に対して、研究グループは、水の凍結時に生じる物質の凝集挙動に着目した。セルロースナノファイバーの一種であるカルボキシメチルセルロース(CMC)ナノファイバーをクエン酸と混ぜ合わせるとゲルができるが、CMCナノファイバーを“凍らせて”、クエン酸溶液を混ぜ、溶かすことにより、高い強度と成型性を有するゲルを生成できることを見出したという。 高強度なゲルになった理由は、溶液の凍結時に氷晶の周囲に形成されたCMCナノファイバーの凝集体が、そのままクエン酸と反応し、強固な三次元ネットワーク構造のゲル骨格となるためと考えられる。この「凍結架橋セルロースナノファイバーゲル」は、2トンの圧縮負荷にも耐える世界最高レベルの

    秘訣は“凍らせること” 環境にやさしく高強度なゲル材料の開発に成功
  • 京都大学、人工知能でアイヌ語の音声認識・合成に成功

    京都大学大学院情報学研究科の河原達也教授らの研究グループは、消滅危機言語に認定されているアイヌ語の音声を自動認識し、合成する人工知能AI)を開発した。アイヌ語の音声認識・合成システム構築は初めてで、アイヌ語の伝承や学習に効果を上げそうだ。 これにより、1時間のデータに対し、人の手で1日かかる作業がほぼ完全に自動化でき、アイヌ語のアーカイブ構築が大きく効率化することになった。 さらに、提供された音声データのうち、1人当たりで10時間以上会話している人について、AIの深層学習で音声を合成した。9月に白老町で開かれたアイヌ語アーカイブ研究会で実演したところ、博物館関係者から好評を得た。 アイヌ語は北海道や樺太、千島列島などに居住していたアイヌの言語で、口承だけで伝えられてきた。科学的な研究は明治時代以降にスタートしたが、樺太や千島列島では話者がすでに消滅したとされる。北海道の話者数は1996年

    京都大学、人工知能でアイヌ語の音声認識・合成に成功
  • 「緑」茶飲み友達が多いと歯が多く残る 東北大学が高齢者2.4万人を調査

    緑茶にはカテキンやフッ素が含まれるため、むし歯や歯周病を予防して歯の喪失をい止める可能性を持つことが指摘されているが、1日に4杯以上の緑茶を飲む高齢者は飲まない人に比べ、1.6多く歯が残っていることが、東北大学大学院歯学研究科の相田潤准教授らの調査で明らかになった。 それによると、緑茶を1日に4杯以上飲む高齢者は飲まない人に比べて1.6、1カ月に10人以上の友人、知人と会う人は1人も会わない人に比べて2.6多く歯が残っていることが分かった。緑茶は人と会っているときに飲むことが多いことから、相田准教授らは緑茶を摂取する機会が多いほど歯が多く残るとみている。 緑茶に含まれるカテキンやフッ素がむし歯や歯周病に効果があることは、多数の研究で明らかになっているが、実際の効果について人を対象として大規模な検証を進めたのは、今回が初めてという。 新型コロナウイルスの感染拡大で不要不急の外出を控え

    「緑」茶飲み友達が多いと歯が多く残る 東北大学が高齢者2.4万人を調査
  • 偶然の漂流でも島に10人漂着すれば集団は持続、人類の漂流説を東京大学などが分析

    偶然の漂流でも島に10人漂着すれば集団は持続、人類の漂流説を東京大学などが分析 大学ジャーナルオンライン編集部 東京大学の井原泰雄講師らの研究グループは、国立民族学博物館、国立科学博物館と共同で、更新世の人類による島しょ進出について分析し、偶然の漂流により10人程度のグループが島に渡ったとすれば、その子孫が集団として持続した可能性があることを示した。 今回、移住者の子孫が集団として持続する可能性を人口シミュレーションにより評価した。近現代の狩猟採集民は家族単位で移動するため、家族が乗った舟の偶然の漂流を、男女同数の若者による意図的な移住と比較した。狩猟採集民として現実的な出生率と死亡率の組合せを網羅的に検討すると、偶然の漂流の場合は、集団の持続可能性が意図的移住より大きく劣り、集団の持続に多くの条件下で10人程度の漂着者が必要と判明した。 例えば琉球列島は、3万5000~3万年前に列島全域

    偶然の漂流でも島に10人漂着すれば集団は持続、人類の漂流説を東京大学などが分析
  • テレワークに不向きな業種で所得低下、新型コロナで慶應義塾大学調査

    慶應義塾大学経済学部の大久保敏弘教授が新型コロナウイルス感染拡大に伴うテレワークの導入状況を調べたところ、テレワークに不向きな業種ほど所得の低下が大きいことが分かった。大久保教授は日経済が抱える構造的な課題や社会が持つ問題が顕著になったとみている。 それによると、テレワークの導入率は1月6%、3月10%、緊急事態宣言下の4~5月25%と伸びた。解除後の6月は17%に下がったものの、新型コロナを機に導入が進んだことは間違いなく、テレワークがある程度定着したとみられる。 しかし、東京都で6月に導入率が33%に達したほか、神奈川県、埼玉県、千葉県の首都圏で高い導入率を記録する一方、他の地域の導入率は低く、地域格差が目立った。業種別でも情報通信業が46%と高い導入率を示したものの、飲・宿泊業は5%と導入が伸びていない。企業規模では従業員数が大きいほど導入率が高くなっていた。 テレワークの導入率

    テレワークに不向きな業種で所得低下、新型コロナで慶應義塾大学調査
  • 世界初、100%に近い量子収率で水分解を実現する光触媒を開発

    理論上最大となる100%に近い量子収率(光子の利用効率)で水を水素と酸素に分解する光触媒の開発に成功したと、新エネルギー・産業技術総合開発機構、人工光合成化学プロセス技術研究組合、信州大学、山口大学、東京大学、産業技術総合研究所の共同研究グループが発表した。 研究では、代表的な酸化物光触媒の一つであるSrTiO3(Alドープ)を用い、フラックス法により粒子形状を制御して特定の結晶面を露出させた上で、光電着法により異なる特定の結晶表面に水素生成助触媒(Rh/Cr2O3)と酸素生成助触媒(CoOOH)をそれぞれ別々に担持した。従来の光触媒では、電子と正孔の再結合が起こることが量子収率低下の原因となっていたが、構造では、半導体微粒子内の電位勾配により、励起された電子と正孔がそれぞれの助触媒に選択的に移動するため、電子と正孔が空間的に分離され、再結合がほぼ完全に抑えられるという。その結果、紫外

    世界初、100%に近い量子収率で水分解を実現する光触媒を開発
  • 「超高純度鉄」は生体適合性に優れた新奇生体材、東北大学が解明

    東北大学の研究グループは、超高純度鉄は表面処理を施さずに、各種の哺乳類培養細胞を接着、増殖させる基質となることを明らかにした。新たな医療資材、細胞培養基質としての利用が期待される。 鉄は生体内に最も多く存在する必須の金属元素の1つだが、鉄イオン過剰は細胞毒性があり、腐性の高い汎用純鉄などは生体材料に使用できなかった。 研究グループは、知られている鉄の性質は多種多量に含まれる不純物元素でマスクされた性質だと気付き、30年を掛け革新的超高純度化技術を開発。鉄来の性質を追求し、純度99.9996%±0.0003%の超高純度鉄(ABIKO-iron)を精錬し予想を超える可塑性や耐性など新奇の特性を証明してきた。 今回、AbikoIronの金属表面での様々な哺乳類培養細胞の細胞接着性と増殖活性、細胞分化能の3つの観点から生体適合性を調査。その結果、Abiko-Ironは、細胞接着性に優れ、金属

    「超高純度鉄」は生体適合性に優れた新奇生体材、東北大学が解明
  • 感染リスクなしに遠隔地と「味」の情報を共有 明治大学宮下研究室

    明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科の宮下芳明教授は、任意の味を表現できるディスプレイを開発した。人や飲物の移動を伴うことなく味の情報のみを伝達するため、感染リスクなく味を共有するなど今後の応用が期待される。 宮下研究室は、舌を電気的に刺激することで味を生み出す「電気味覚」の研究を推進してきた。これまでも、健康な事を化学物質なしで満足な美味しさに変えるプロジェクトとして「噛む力で発電して味を作り出すガム」「飲み物の後味を電気刺激で強く長くする手法」などを開発している。今回の味ディスプレイは舌への電気刺激を利用せず、遠隔地にも味を伝え再現することを目的に開発した。 試作した味ディスプレイのプロトタイプ「Norimaki Synthesizer」に関する論文が公開されたが、宮下教授はその論文に記載されている知見よりもさらに、味の再現性を高め、表現力を向上させる手法について研究を続

    感染リスクなしに遠隔地と「味」の情報を共有 明治大学宮下研究室
  • 新型コロナウイルス感染症で致死的な急性呼吸器不全を発症する仕組みの考察

    新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で生じる致死的な急性呼吸器不全症候群(ARDS: Acute Respiratory Distress Syndrome)は、免疫系の過剰な生体防御反応であるサイトカインストームが原因であるとする考察を、北海道大学と量子技術研究開発機構の研究グループが発表した。 最新の研究で、新型コロナウイルスが感染するためにはサーズウイルスと同じく細胞表面にあるアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)というタンパク質が受容体として作用すること、さらにウイルスが細胞に侵入するためには細胞表面のタンパク分解酵素であるTMPRSS2によりウイルスのスパイクタンパクが処理されることが必要であることが明らかとなっている。 これらの知見やこれまでの研究から、グループは、感染後期に生じるARDSは、過剰な生体反応であるサイトカインストームにより引き起こされるサイトカインリリ

    新型コロナウイルス感染症で致死的な急性呼吸器不全を発症する仕組みの考察
  • ステロイドの副作用からこどもの骨を守る治療法、北海道大学が開発

    北海道大学の髙畑雅彦准教授らの研究グループは、第一三共株式会社と共同で、同社が創生したシグレック15抗体が、小児ステロイド性骨粗しょう症に対し有効かつ安全な治療法となり得ることを世界で初めて証明した。 シグレック15は、破骨細胞の最終分化を制御する免疫受容体型膜タンパク質の一つ。この遺伝子を欠損するマウスは破骨細胞分化不全による大理石病様表現型を示すが,成長障害は起きない。これは成長帯付近にシグレック15の代償経路があり、正常な破骨細胞が形成されるためだ。研究グループはこの特性に着目し、シグレック15中和抗体による骨成長を妨げない骨粗しょう症の治療可能性を報告してきた。 研究ではステロイドを投与した成長期ラットに、シグレック15抗体、または代表的な骨粗しょう症治療薬ビスフォスフォネートを投与し、その効果などを調査した。その結果、シグレック15中和抗体の方が骨量増加効果に優れ、骨の成長にも

    ステロイドの副作用からこどもの骨を守る治療法、北海道大学が開発
  • チタンを用いた生体軟組織用の強力瞬間接着材、岡山大学などが開発

    岡山大学の松卓也教授らの研究グループは、昭和大学、大阪大学、柳下技研株式会社と共同で、世界で初めて、金属チタンをベースとした生体軟組織用接着材を開発。医療用金属材料であるチタンを表面処理することにより、真皮や筋膜などの生体軟組織と瞬時に接着することを見出した。 研究グループは、チタン表面を化学的に処理し、生体組織に含まれるタンパク質など有機質との相互作用を高めることで、生体親和性と高い接着力を兼ね備えた新しい金属接着材の開発に着手した。開発したチタン製接着材は軟組織に軽く圧接するだけで瞬時に接着する。また、接着力は従来から使われているフィブリン系接着剤よりも3倍以上の接着強さを示した。 松教授によると、材料は見た目はただの金属の薄膜にも関わらず、体の軟らかい組織(特に、真皮、筋膜)にそっとおいて、トントンと圧接するだけですぐに接着し、手などの表皮にはくっつかない、とのこと。 今回開発

    チタンを用いた生体軟組織用の強力瞬間接着材、岡山大学などが開発
  • ありふれた物質どうしで可視光水分解を実現 東京工業大学

    東京工業大学の前田和彦准教授らの研究グループは京都大学と共同で、酸化チタンと水酸化コバルトからなる複合材料が可視光照射下で水を分解する光電極として機能することを発見した。水分解水素製造だけでなく、地球温暖化の原因物質である二酸化炭素の光還元への応用も期待される。 前田准教授らは、透明導電性ガラス上に積層した酸化チタン薄膜に水酸化コバルトを析出させた電極が、可視光照射下で水を分解する新たな光電極となることを発見。酸化チタンや水酸化コバルト単独では同様の機能は得られず、両者の組み合わせで生じる可視光吸収能が機能発現の起源であることが分かった。 これは、実現困難な可視光水分解を、酸化チタンや水酸化コバルトといったありふれた物質のみを用いて実現した初めての例だ。さらに、この複合光電極は簡便で低コストの手法で作成できるという特徴も併せ持っている。 今後、光電極構造・電解条件の最適化や類似物質の組み合

    ありふれた物質どうしで可視光水分解を実現 東京工業大学
  • 中部大学キャンパスで新種の線虫発見、「チュウブダイガク」と命名

    中部大学 応用生物学部 環境生物科学科の長谷川浩一准教授らは、日学術振興会 ヤンス・モルフェ外国人特別研究員(現キューバ生物生態・分類学研究所研究員)らと共同で、新種の線虫を発見した。 「チュウブダイガク」は大部分の動物の腸内に寄生するオキシウリダというグループの寄生虫で、病原性はない。「チュウブダイガク」やその仲間は、主にブラットデア目昆虫(通称ゴキブリ)に寄生し、宿主の免疫機構や健康バランスを整える良好な共生パートナーであることが分かっている。 ゴキブリの先祖は3億5千万年前に陸上に進出し、古生代石炭紀の主な陸上生物として繁栄したとみられている。「チュウブダイガク」の祖先はその時期にゴキブリの腸内に侵入し、良好な共生関係が確立された。現在提唱されている「寄生虫進化仮説」では、ゴキブリからこうした共生関係が動物全体に広がったとされる。 論文情報:【Zootaxa】A new speci

    中部大学キャンパスで新種の線虫発見、「チュウブダイガク」と命名