この学校の女生徒には全員片足がない。男子生徒は僕しかいなかった。先生は耳の聞こえない年寄りのゾウガメだ。 今日先生が持ってきたカゴの底に、魚が一匹残っていた。切り身の魚だったが、ピチピチ跳ねている。僕はそれを先生に見せようと思ったが、先生はもういなかった。授業は終ったのだ。 女生徒はフラミンゴのように立ち、僕の前で義足を外し、足の付け根を掻く。学校にはその女生徒以外、誰も残ってなかった。 そんな時間だっけ、と僕は教室の時計を見る。
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