ここ数年、私の本務校である東京大学でも、学生向けに値引きのないプロフェッショナルの音楽のレッスンをするようになりました。 と言っても、学生は一般の入試で入ってくる子供たちですから、プロフェッショナルベースの音楽のトレーニングは受けていません。そこで授業協力者の形で、トッププロの皆さんにご一緒していただきながら、オペラを一緒に考え作っていく、というレッスンをすることにしました。 昨年はヴァーグナーの「トリスタンとイゾルデ」全曲を授業で作っていくカリキュラムを組みました。ヴァーグナーのオペラは彼自身の命名で「楽劇」と呼ばれ、作曲者自身が書き下ろしたドイツ語の歌詞が歌われます。 通常の音楽制作日程では、楽譜に歌詞が書き込んであるわけですから、それを見ながらソリスト、また合唱の歌手たちは練習してレパートリーをマスターし、次いで演出がついて舞台を作っていく、そういうプロセスを(どこの国でも)踏みます
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