見知らぬ乗客が電車の中に鞄を忘れる。彼を追って降車。「感動ポルノだな」という声がどこかから聞こえたが構っているヒマはない。 だが追いつけなかった。諦めて駅に戻る。先程の電車がまだ停車したままだった。発車時刻はとうに過ぎている。 「追いつけなかったのか」またどこかから声が聞こえた。腹話術を使っているに違いない。 僕は鞄を元の座席に戻す。そうして電車を降りると、誰かがその鞄を持って、笑顔で僕を追いかけてくるので、走って逃げた。
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