小田急開通と同時にオープンした向ヶ丘遊園、そして生田緑地といった自然あふれる空間の存在も登戸駅を語るうえで無視できない。 1927年にオープンした向ヶ丘遊園は、園内のあちこちに赤松・ナラ・クヌギ・桜・カエデ・ツツジなどが植栽された。向ヶ丘遊園は自然豊かな“公園”として、無料開放された。そして、すぐに沿線内外から人を集める目玉施設になる。 1958年の開園30周年には、記念事業としてばら苑が整備された。このばら苑が、閉園まで向ヶ丘遊園のシンボルとして周辺住民や来園者に親しまれる。 向ヶ丘遊園は“花と緑の向ヶ丘遊園”をキャッチフレーズに掲げていたこともあり、園内にはバラ以外にも多くの種類の花が植栽され、観賞用の温室や庭園も整備されていた。 1976年、老朽化した新松田駅舎を保存するため園内に移築。鉄道資料館として再活用された。すでに園内で保存されていた機関車デキ1011も資料館の隣に場所を移し
同地に秘密研究施設が開設された最大の理由は、小高い丘という周囲から隔絶された地形にあった。人里離れた地で、しかも丘の上。これなら人の出入りを制限しやすい。そうした地形的な特性を踏まえ、陸軍は登戸研究所を開設。ここでは中華民国の紙幣である法幣の偽造や電波兵器の開発といった、極秘の研究が進められた。 日中戦争時、陸軍が中国大陸でばらまいた偽法幣は、日本の戦力を疲弊させない経済的攪乱作戦だった。登戸研究所から神戸港・下関港・長崎港まで偽法幣を運び、大陸に渡って市中に流通させる――といった作戦が立てられていた。 交戦中とはいえ、相手国の偽札を製造することは国際法でもご法度だった。登戸研究所内での偽札製造は、政府関係者や陸軍でもトップシークレットとされた。 製造することは秘密にできても、大陸までの運搬中に露見することが陸軍を悩ませた。仮に偽札製造が露見すれば、日本は国際的な信用を失う。そうした事態を
時代とともに小田急の駅舎は老朽化し、順次、建て替えられた。マンサード屋根を残すのは向ヶ丘遊園駅の北口駅舎のみになったが、小田急は向ケ丘遊園駅の駅舎リニューアル工事を実施し、2019年には南口にもマンサード屋根の駅舎が竣工した。現在に至っても、小田急が向ヶ丘遊園駅を重要視していることがわかるだろう。 一方、貨物の重要駅になっていた稲田多摩川駅はどうだろうか。同駅は1955年に登戸多摩川駅に改称した。しかし、多摩川を挟んで都心側には和泉多摩川駅がある。“多摩川”がつく駅が2つ並ぶと、乗客が混乱する。そうした理由から、1958年に登戸多摩川駅は国鉄の駅名と足並みを揃え、登戸駅へと再改称した。 隣の稲田登戸駅は、一足早い1955年に向ヶ丘遊園駅に改称していた。そのために、“登戸”がつく駅が連続するという事態は避けられた。 秘密研究所の誕生 ようやく登戸駅となったものの、駅名が変わっただけで駅周辺は
登戸駅の一帯は江戸期に津久井街道の宿場町が置かれ、多摩川の渡し船が発着する要衝地だった。しかし、交通の要衝地ながらも、登戸はそれほどのにぎわいを見せなかった。明治・大正期を通じて、登戸駅一帯は農村風景が広がっていた。 これを変えたのが南武鉄道(現・JR南武線)と小田原急行(現・小田急電鉄小田原線)の開業だった。小田急も南武も1927年に駅を開業させているが、わずかに南武が先着した。 1923年に起きた関東大震災により、東京の建物はことごとく崩壊。復興に際して、木造家屋ではなく強固なコンクリート造りが求められた。コンクリート需要が増す中、南武が着目したのは、多摩川の砂利だった。 当初は都心部に砂利を運搬することを企図していたが、南武は工都・川崎の心臓部でもある臨海エリアに砂利を運搬したほうが有益性は高いと判断。東京都心部から川崎へと線路敷設の方針を転換し、川崎駅―登戸駅間を結ぶ南武鉄道が開業
バブル崩壊から30年が経過した。この間、日本の経済はまったく成長を描けず、失われた30年と呼ばれる。この間に日本全体が疲弊し、国土の発展は停滞した。 現在、2020年の東京五輪に向けて東京圏で都市改造が進められているが、これも五輪という特需の影響にすぎない。五輪が閉幕すれば、それらも減退することが予想される。成長著しいと思われている東京でさえ、先行きは明るくない。 そうした中、一人気を吐く都市が東京に隣接する神奈川県川崎市だ。 「工都」川崎の一角だが… 川崎市内には、JR・京急・東急・小田急・京王などが鉄道路線を有している。そのため、東京までのアクセスは抜群によい。充実した交通網を背景に、平成期の川崎は東京のベッドタウンとしての色を濃くしてきた。 しかし、明治期から昭和期までの川崎は違った。帝都・東京の影響を受けながらも独自の発展を遂げ、工業都市・工場の街を意味する“工都”を自認した。 高
レスリング女子でオリンピック(五輪)4連覇の伊調馨(35=ALSOK)が14日、東京都内で本紙の取材に応じ、来年の東京五輪行きがなくなった場合、9月にも現役引退する意向を示した。 世界選手権(9月14~22日、カザフスタン)代表をかけた6日のプレーオフでは、女子57キロ級で川井梨紗子(24)に負けた。川井が同選手権でメダルを獲得すれば、同級1枠の東京五輪代表に内定する。他階級での挑戦はせず、指導者を視野にマットを退く。 ◇ ◇ ◇ 全国が見守った2人の五輪女王による世界で最も過酷な五輪代表争い。6日のプレーオフから1週間、伊調はデリシャススマイル杯東日本大学女子選手権が行われた会場にいた。練習拠点とする日体大の現役選手たちのサポート役。試合の勝負時とは違う、温かな表情が浮かんだ。 川井に敗れた直後は、9月以降に言及することはなかった。この日、あらためて川井が東京五輪の代表に決まった
改装、清掃、サービス品質の向上が必要 競合のスタバは積極的に改装を実施して、居心地の良さを追求している。サンマルクもスタバのように積極的に改装すべきだろう。また、清掃を強化して常に整った環境を構築する必要がある。そして、店員のサービス品質を上げる必要もある。この点は、居心地を大きく左右するからだ。 メニューに関しては、季節商品を定期的に高頻度で投入するなどして顧客を飽きさせないようにする必要がある。 スタバは毎月のようにフラペチーノを含む新作ドリンクを投入している。コメダも季節限定のシロノワールを次々と投入している。前期(19年2月期)だけで、8種類のシロノワールを発売した。昨年9月下旬からコーヒー味の「大人ノワール」を、10月下旬からは森永製菓の人気チョコレート菓子「小枝」とコラボした「シロノワール小枝」をそれぞれ期間限定で販売している。いずれも好評だったという。 テコ入れはもはや待った
ドトールの「どこにでもある」安心感 もう一つ注目したい指標がある。「ロイヤルティ」だ。ロイヤルティは顧客に「また利用したい」と思わせているかを表す指標だが、この指標でも1位がドトール、2位がベローチェで、サンマルクは4位以内には入っていない。「また利用したい」と思わせる要素が、価格以外にないためだろう。 ドトールを「また利用したい」と思っている顧客が多いのは、価格以外では「利便性の高さ」が大きい。ドトールは、駅前のビルの1階など好ロケーションに立地していることが多い。そのため、ホッとひと息つきたいときや待ち合わせで利用するのに非常に便利だ。 また、ドトールはサンマルクの3倍近い1100店超をも全国に展開しているため、好立地との合わせ技で、カフェを探す際に「きっとここにもドトールがあるだろう」という安心感が顧客に根付いている。それゆえに「また利用したい」と思われているのだ。 ベローチェに関し
低価格帯の店も「居心地の良さ」が重要になった 好調なスタバとコメダに共通しているのが「居心地の良さ」だ。スタバは積極的な改装を実施するなどして、常におしゃれな空間を保ち続けている。コメダはふかふかのソファを設置し、新規店舗では全面禁煙を原則とするなど、居心地の良い空間を作り出すことに成功している。スタバとコメダはいずれも、業界内では中価格帯に位置する。そのため顧客は、値段に見合った居心地の良さを期待しており、そこに応える必要がある。 一方、ブレンドコーヒーSサイズを208円(税込)という低価格で提供するサンマルクに対しては、それほど顧客の期待が高くない。とはいえ、競争の激化やニーズの高まりなどで、低価格帯の店でも居心地の重要性は高まってきている。 サンマルクは、そういったニーズに対応しきれていないように見える。顧客満足度が決して高くないのだ。日本生産性本部・サービス産業生産性協議会の「日本
「サンマルクカフェ」が失速している。店舗数が伸びず、既存店売上高もマイナスが続いている。看板商品「チョコクロ」で人気を得てきたチェーンが、なぜ伸び悩んでいるのか。店舗経営コンサルタントの佐藤昌司氏は「低価格帯のカフェでも、居心地の良さが重視されるようになった。サンマルクはそこに対応できていない」と分析する――。 1年間でわずか2店舗増 「サンマルクカフェ」の失速が鮮明だ。拡大路線を進んできたが、ここ数年の店舗数は伸び悩んでいる。 2019年3月末時点のサンマルクの店舗数は404店。1年前からは、わずか2店増にとどまった。数年前までは年に20店程度増えていたが、ここ数年の年間増加数は10店に満たない。店舗数の伸びが明らかに失速している。 既存店売上高の苦戦も続いている。19年3月期は前期比1.0%減と、マイナス成長だった。前期である18年3月期も不調で、17年3月期から2.5%も減っていた。
布施和伸君、斎藤和寛君、齋藤潤一君(東京・東京学芸大学附属高校、共に3年)は、「オナラの音と臭いを消すパンツ」の開発に取り組んだ。 「周りが気になりオナラを我慢して体調を崩してしまう。そんな誰にでも思い当たる悩みを解消するパンツを作ろうと思いました」(布施君)。すでに、オナラの音を小さくするクッションや、臭いをやわらげるパンツは商品化されているが、3人が目指すのは、臭いと音の両方を消す万能パンツだ。 まずは消音実験。音を消すには、障害物で音をはね返して遮断する「遮音」と、音を吸収する「吸音」を組み合わせると効果があると分かった。吸音材の役割を担うスポンジで携帯電話をくるみ、缶の中に入れて密閉。アラーム音がどのくらい小さくなるか試した。「密閉状態の中で音がはね返り、音波同士が音を打ち消しあい、高い消音効果がありました」(布施君)。 次に、臭いを吸着する活性炭を用いた消臭実験だ。きつい臭いのア
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