モノプソニーの力がどれだけ強く働くかは、労使の交渉力の差によって決まります。そのため、モノプソニーの影響は労働者全員に均一に現れるのではなく、特定の属性に偏ると考えられます。 世界中の調査で、モノプソニーの影響をもっとも顕著に受けるのは女性であることが確認されています。特に子育て中の女性は、残業ができない、休みが多くなりやすいなどの理由から、雇用主に対する交渉力が大きく低下するので、モノプソニーの力がより強く働きます。 「新モノプソニー論」では、モノプソニーの力が強く生産性の低い業種に、女性労働者が集まる傾向が見られるとされています。実際に日本もそのとおりになっています。 事実、日本で最低賃金で働いている人の男女比率を見ると、15~29歳ではほとんど差がありませんが、30代になると急激に女性の比率が高くなります。年齢が上がるとその傾向はさらに顕著になり、40~49歳の場合、約9割が女性で占
企業が継続的に輸出をするためには、高い生産性が求められます。例外はありますが、高い生産性を実現するには一定の規模が必要です。ドイツの研究によると、輸出をするためには平均して160人前後の規模が必要だそうです。 しかし、モノプソニーの力が働き、企業の平均規模が小さくなると、輸出できる企業が減ってしまいます。事実、日本は輸出総額では世界第4位ですが、対GDP比では世界第160位と、著しく低いランキングに留まっています。「日本は輸出大国」と思い込んでいる人が多いのですが、それは大きな誤解です。 技術力は高いのに「普及しない」わけ 優秀な人材を安く雇用できると、機械化したり最先端技術を導入したりする動機が低下します。わざわざ最先端技術を導入しなくても、優秀な社員たちに任せておけばなんとかなる……と経営者は考えがちだからです。 また、企業の規模が小さいほど、当然、最先端技術を導入するためのコストを払
労働市場の効率性が高いと、少しでも高い給料を出せばすぐに労働者が集まってくるので、高い給料を支払える生産性の高い企業に労働者が集中します。生産性の高さと企業の規模との間には強い相関関係があるので、その国、その業種の企業の平均規模は大きくなります。 前回の記事でも説明したとおり、モノプソニーの力が働いている場合、企業は本来支払うべき給料より低い賃金で労働者を雇用しているので、利益を上げやすくなります。この利益を狙って「われもわれも」とたくさんの企業がつくられるため、企業の平均規模が縮小します。 企業の数が増えれば増えるほど、経営者になる人間が増え、経営者の平均的な質は低下します。企業の成長性は経営者の能力を反映しますので、企業の平均規模はさらに小さくなります。すると、大企業と中堅企業で働く人の比率が低くなり、逆に小規模事業者で働く人の比率が高まります。 日本の小規模事業者の生産性は、大企業の
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東京都内の新型コロナの新規報告数は連日「曜日ごとの最多」を2週間以上更新しており、最悪の状況のまま年末年始に突入してしまいました。 全国で病床が逼迫しており、その影響で救える命が救えなくなってきています。 全国で本来提供できる医療が提供できなくなっている兵庫県、埼玉県、東京都など、すでに本来提供できる医療が提供できなくなっています。 報道でも、医療現場の危機的状況が伝えられています。 兵庫県兵庫県内の医療機関で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)発生が相次ぐ中、他の疾患で入院している最中に感染した患者が、症状が悪化してもコロナ対応の基幹病院に移れないケースが起きている。コロナ患者向けの病床が逼迫(ひっぱく)しているためで、12月中にこうした患者のうち、少なくとも6人が死亡していたことも分かった。(入院中にコロナ感染も、基幹病院に移れず死亡 12月、兵庫で少なくとも6人) 埼玉県新型
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