2023年5月8日のブックマーク (1件)

  • 《『食客論』紹介エッセイ》批評における「わたし」とはだれなのか(星野 太)

    ロラン・バルトやフーリエ、石原吉郎らのテクストに潜む「客」という形象を通じて、「わたしたち」の生のあり方を問う評論集『客論』(星野太著)。 はじめての連載評論集である書を書いた経験を振り返りながら「文芸批評」というジャンルについて書いていただきました。 (「群像」2023年6月号「の名刺」より転載) 文芸批評というジャンル これはどういうジャンルのなんですか。 つい先日上梓したばかりの『客論』について、時々そのような問いを投げられることがある。それに対してわたしは大体、文芸批評です、と答えることにしている。「文芸」誌で連載された「批評」なので、文芸批評─なかばトートロジーのようなこの回答が、しかし書については不思議としっくりくるように思われるのだ。 これまでさんざん指摘されてきたことだが、日における文芸批評というジャンルはきわめて特殊である。たとえば小林秀雄、吉隆明、柄谷

    《『食客論』紹介エッセイ》批評における「わたし」とはだれなのか(星野 太)