絵画や彫刻なんかの美術作品で、「無題」って作品をよく見かける。 とても不思議だ。 たとえばメッセージ性のある深遠なタイトルをつけ、作品そのものとの相乗効果で自分の創作意図をより有効にアナウンスしよう、とか考えないのかな。 そんな俗事に構わないのが本物の天才なんだろうけど。 一方、音楽の世界では、「無題」のポピュラーソングってありえない。演劇や文学もそうだ。美術の人だけが、なんだか別の世界にいるような気がする。 タイトルも含めてひとつの作品なのに、自分のかけがえのない作品を「無題」で終わらせるアーティストの心理ってどんなふうなんだろう? 「無題」でやりすごすくらい肩の力を抜いてモノを作ってる、ってことなのか……。 私みたいな凡人にはやっぱりわからない。