南陽市出身、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! 「このミステリーがすごい!」大賞受賞作『果てしなき渇き』を原作とした映画 『渇き。』が2014年6月27日より全国ロードショー。 小林まことの「劇画・長谷川伸シリーズ」は、コミック界の新たな至宝となるだろう。四部作のラスト『瞼の母』(講談社)を読んで思った。 ……のっけから、ずいぶんと大きく出たが、話を盛りすぎているとは思わない。この21世紀に、どのメディアでもほとんど死滅していた“股旅もの”というジャンルを復活させ、「どこの読者がいるんだ」と言われつつも、作者は次々と名作を発表してきた。 原作は大衆文学の父・長谷川伸……といっても、今さら知っているのはシニア層か熱心な映画ファンくらいではないか、ということは、前作『一本刀土俵入』(講談社)