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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/idconsult (9)

  • 変わるC型肝炎の治療とその周辺 - 感染症診療の原則

    HIV感染症の新規発生抑制にも効果をもたらしている抗ウイルス薬の普及。 高額な治療薬をどのように途上国で使えるようにするのか、の検討の中で、ジェネリック薬を普及させるという方法がありました。 組み合わせは先進国と全く同じ選択肢ではありませんでしたが、一月15万円~かかる治療が月あたり5千円でできるというのは魅力的、妥当なラインだったと思います。 (インドのシプラ社から入手して、保険のない患者さんも飲むことができました) C型肝炎の治療も大きく変わり、「治せる時代」「治る時代」になっていますが、その治療費が高額であることから、先行して販売されている米国などでも保険会社や刑務所で困っている…というニュースがありました。 日でも5月20日から2型のHCVの治療薬としてソルバディが保険で使用できるようになりました。 1錠あたりの値段がニュースやネットでも「高い」「保険組合はだいじょうぶなのか」と

    変わるC型肝炎の治療とその周辺 - 感染症診療の原則
  • HIVより多いC型肝炎での死亡 - 感染症診療の原則

    「コンドーム使わないセックスありました?」ときかれて「まったくありません」と言い切れる人が少ないため、HIVの場合は(頻度は低いにしても)そうか、感染の機会もあったかもしれない、と思う訳です。 B型肝炎もどうようです。特に日人は子どものときに予防接種をしてもらえていない子どもが多いため、「ワクチンしてなかったんですか?」と聞くのは酷な状況です。(診察室でワクチンがあったんですか!と泣き崩れる当人や保護者はいますが) C型肝炎の場合は、異性間での性感染はごく稀で(男性どうしのセックスではアウトブレイクもおきています)、輸血もしていないし、血液製剤もないし、手術もしていないし、刺青も、ピアスもないし。歯医者くらいしか思い当たらない。他になにかあったかなあ・・・・で、健診などで突然指摘されて驚く方が多いです。 まれに感染経路不明の院内感染も報告されます。 「沈黙の臓器」といわれるように、自分で

    HIVより多いC型肝炎での死亡 - 感染症診療の原則
  • WHOデータから見る日本の予防接種 - 感染症診療の原則

    シアトル臨時特派員@ワクチン会議です。 国際会議では、休憩時間の話題もお互いの国の予防接種制度、その課題になります。 一番困るのは「責任者は誰?責任部署はどこ?」です。 どの国でも担当者名や検証/推奨母体があるのですが。日は複数機関の関与があることはわかっていますが、どこが統括して推進していくのか?です。 もうひとつは、データの精度です。 感染症法のもとの発生動向調査はありますが、ワクチン関連の、事前事後の副反応や有効性データの精度を管理しているところがどこか、どのようなプロセスを経て集約されているのかが数字を見たい人たちによくわからないシステムだということです。 いずれにしても。 皆さんも将来関連の会議や話題に対応をしないといけないときがきたら、とりあえず、出発前にWHOの国別データを見てください。 Immunization Profile - Japan 例えば、日の子どもはあまり

    WHOデータから見る日本の予防接種 - 感染症診療の原則
  • 「遅れている」どころではない・・ - 感染症診療の原則

    先日、生ワクチンによるポリオ、ならびにポストポリオ症候群(ポリオによる急性症状から回復した後、何年も経過してから発症し次第に悪化する病態。知識が無ければ診断さえ難しい)で苦しむ方々とお会いする機会がありました。不活化ワクチンを使用していれば防げた明らかな人災を目の当たりにし改めて、このような事態を招いた状況が変わっていないことに、そして感染症にかかわる医師として何もしてこなかったことに対して強く反省したことです。(もちろん、このままではいません) そして、ほぼ同時期に2つのShockingな情報が入って来ました。ひとつは生ワクチンによる被害者がまた出たこと。もうひとつは中国の情報でした。 それは年3月1日現在で中国のワクチン製造のStandardがWHOの求めるものにマッチするようになったというOfficialな報告でした。The World Health Organization an

    「遅れている」どころではない・・ - 感染症診療の原則
  • ※数字修正 HPVワクチン(俗称「子宮頸がんワクチン」)失神「多発」ニュース - 感染症診療の原則

    読売新聞「子宮頸がんワクチンで副作用、失神多発」のニュースがネット上で話題になっています。 もともとこのワクチンへの反対意見や啓発の仕方への疑問視は各国・専門家の間にもあるのですが、特に反対派や不安層にインパクトをもたらしているようです。 読売新聞の記者は専門家への確認などをとったのかわかりませんが、ワクチンに詳しい医師等に確認をすれば、ネガティブにとられないような書きかたもあるのではないか、が感想です。 まず、グラクソ・スミスクラインは接種上の注意文書のなかで、この反応がおこりうることを説明し、接種後30分ほど医療機関で観察時間をおくことをすすめています。 そして重要な文書はこちら。 日小児科学会予防接種感染対策委員会 声明 「予防接種後の失神に対する注意点ついて」 一部ペースト紹介: -------------------------------------- 注意すべき対象: 海外

    ※数字修正 HPVワクチン(俗称「子宮頸がんワクチン」)失神「多発」ニュース - 感染症診療の原則
  • 感染症の記事比較:old mediaのインフルエンザ報道 - 感染症診療の原則

    マスコミ、大手メディア、既存メディアとか最近はいろいろな表現があるようですが、新しいメディアと対比して今回はold mediaと書いておきましょう。 古いことは悪いことではありません。その伝統にふさわしい良質な記事を期待しています。 さて。「集団インフルエンザ」についての記事です。 他でも集団事例はおきており、随時報告されていますが、今回は死亡例が6例。 インフルエンザにもっとも罹患するのは幼児~小学生ですが、インフルエンザで死亡するのは高齢者です。 インフルエンザでこどもがバタバタ死んだら大問題ですが、超高齢者や基礎疾患たっぷりの人では一定の死亡リスクが最初からあるというコモンセンスをもたなくてはなりません。 また、高齢者はインフルエンザや肺炎球菌のワクチンの効果があまり期待できない層でもあります(免疫力の低下)。 インフルシーズンには職員や見舞客も感染・発症したりしますし、ゼロリスクに

    感染症の記事比較:old mediaのインフルエンザ報道 - 感染症診療の原則
  • 性感染症として広がるC型肝炎 - 感染症診療の原則

    肝炎対策は日でも課題ですが、他の先進国でもそのコントロールの努力が続けられています。 B型肝炎にはワクチンがありますが、C型肝炎にはまだワクチンがありません。 このため、拡大を防止するためには、モニタリングと迅速対応が重要です。 Medscapeの記事から。 2000年前後から、先進国で特定のリスク層において性感染ルートでHCVが拡大しており、サベイランスにおける早期探知、アウトブレイク対応などが紹介されています。 これを受け、オランダのアムステルダムでは、2007-2008年にかけて、性感染症クリニックを受診した3125人(うちMSM689人)を対象に、HIV,HCVについて調査。 陽性の場合はウイルス量の測定と遺伝子学的な分析を行っています。 この結果、HIV陰性MSMでは532人中2人(0.4%)がHCV陽性で、HIV陽性MSMでは157人中28人が17.8%となっていました。 H

    性感染症として広がるC型肝炎 - 感染症診療の原則
  • 公的なワクチンの情報をさがしてみた (長文注意) - 感染症診療の原則

    HPVワクチンについて現場ヒアリングで見えてきたことの中間報告。 地域の公衆衛生や医療関係者への相談や打診なく、議員や首長が政治パフォーマンスとして公費にしたがっている、という問題が各地で指摘されています。 その結果、十分な情報提供がないまま、とにかく接種してしまえ的にあつかわれている今年の中学1年(地域によっては小6)の女子とその親御さんがいます。 かわいそうな状況だと気づいていないかもしれませんが。 県でいっせいに公費だぜい!とか盛り上がっている某県はホントにお気の毒です。 (予算がないから今年はしないよ・・・といっている自治体の人は実は結果的にラッキーかも) 製薬会社の作ったスライドそのままで教育講演をしてまわっている医師もいるそうです(怖い・・・)。 いずれにしても、接種すべきか?と考え悩む保護者は、ネットで情報を探し始めます。 そうすると、ホメオパシーはじめ、否定的な情報があふれ

    公的なワクチンの情報をさがしてみた (長文注意) - 感染症診療の原則
  • 「予防接種しないと何か問題か?」という親の質問 - 感染症診療の原則

    (新潟症例情報のところ一部修正) 予防接種を子どもにしたくないという親から「しないと人生上なにか不都合があるのでしょうか?」と聞かれました。 集団免疫の話などはまた別の機会に。ここではご人のリスクを考えてみたいと思います。 「医学部とか看護学部とか教育学部の進学はあきらめますかねえ・・・」(実習できない→免許はとれない) 「アメリカやオーストラリアなどメジャーなところの留学とか駐在も難しい、問題がおきると大ごとですかねえ・・・」 「妊娠育児のとき怖いでしょうねえ・・・」 といったらそんなことは考えたこともなかった、といわれました。 (まあ、その頃には人が自分の意思で接種できますが。それまでが怖い) 医療関係者としては「怖い」が先にきます。 怖さの実感が一般の人と医療者でずいぶんことなります。 医療機関には当然のことながら重症になった人がきます。 このため、医療者は子どものときに予防接

    「予防接種しないと何か問題か?」という親の質問 - 感染症診療の原則
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