太陽電池で給電できることには大きな意味がある。それは電線を埋めることが難しい農地でも導入可能になる点だ。 「電線を農地にひく際、農業機械が電線を切断しないよう地中深くに埋める必要があります。例えば以前設置したハワイのような火山島だとすぐ下が溶岩なので、岩を砕いて電線をひかなくてはなりませんでした。しかも、苦労して電線を地中に埋めたら、夜中にミミズを食べるために野ブタが土を掘り起こしてしまい、電線が地上に出ていました。電線が高く売れるということで、中国では電線泥棒に盗まれたこともありました。」 国外でも検証を進める中、国内で平藤さんの研究に興味を持つ農家は少なくないという。 「大規模農家の人は経営者としてのセンスを問われる要素があるので、新しい技術に興味がある人も少なくありません。10年ほど前、フィールドサーバ開発初期に知り合ったある農家は拾ってきた電柱のてっぺんにフィールドサーバと風力発電