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ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (4)

  • 『三体』の劉慈欣が「近未来SF小説の頂点」とまで言った、ページをめくる手が止まらない圧巻の中国SF──『荒潮』 - 基本読書

    荒潮 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) 作者:陳 楸帆発売日: 2020/01/23メディア: 新書この『荒潮』は中国のSF作家を代表する一人と言われる陳楸帆による初の(そして今のところ唯一の)長篇SF小説である。陳楸帆の小説は、日でも刊行された現代中国SFアンソロジーである『折りたたみ北京』にも短篇「鼠年」が載っている。 この「鼠年」は、中国で遺伝子改造されたラットの逃亡と、その駆除隊に入った底辺層の駆除隊の青年を通して中国社会の苦境と世界を支配するゲーム・ルールを描き出していく、ローカル性とグローバル性が適度にブレンドされ、そこからさらにSFならではの情景に繋がっていく圧巻の短篇で、アンソロジー全体の中でも群を抜いておもしろかった。また、この『荒潮』は英語や、原語で読んだ人の評判もずば抜けて高く、最初から期待していたのだが──、実際読んでみたらこれがもうめちゃくちゃおもしろい! 久し

    『三体』の劉慈欣が「近未来SF小説の頂点」とまで言った、ページをめくる手が止まらない圧巻の中国SF──『荒潮』 - 基本読書
  • 《天冥の標》から『息吹』まで、多数の傑作SFが刊行された2019年を振り返る - 基本読書

    息吹 作者:テッド・チャン出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/12/04メディア: 単行 傑作揃いの短篇集 今年のSFでまず中心的に語っておきたいのは*1、素晴らしい短篇集が多数出たことだ。たとえばテッド・チャン『息吹』は著者一七年ぶりのSF短篇集で、『メッセージ』の題名で映画化された短篇を含む前作『あなたの人生の物語』を上回る密度を誇る傑作ぞろい。中でも表題作「息吹」は我々の世界とは仕組みが異なる異世界の生活や原理を緻密に描き出しながら、一人の科学者の脳科学・物理学の追求を通して世界の真実に至ろうとする物語で、三〇ページほどの中に世界を探求することの喜びが緻密に織り込まれている。この一〇年で読んだ中で最上の一篇である。 ビット・プレイヤー (ハヤカワ文庫SF) 作者:グレッグ イーガン出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/03/31メディア: Kindle版他、外

    《天冥の標》から『息吹』まで、多数の傑作SFが刊行された2019年を振り返る - 基本読書
  • 異常な傑作──『雛口依子の最低な落下とやけくそキャノンボール 』 - 基本読書

    雛口依子(ひなぐちよりこ)の最低な落下とやけくそキャノンボール 作者: 呉勝浩出版社/メーカー: 光文社発売日: 2018/09/19メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る呉勝浩さんの作品はこれが初読だが、異常な傑作であった。最近僕はKindleの読み上げでを読むのを試しており、順調に20冊ぐらい読んでいたのだが、はじめて「先が気になって気になってしょうがなくなって聞いているだけじゃ遅いので実際に読み始めてしまった」である。それはいったい、どのようななのか? 簡単に説明してしまえば、主に2017年を舞台にした現代物で、とある連続殺人事件に巻き込まれた女子二人が、謎まみれの事件の背後に何があったのかを追っていく過程で、女子二人のうちの一人である雛口依子のおぞましい人生、そしてやけくそなキャノンボールが描かれていく──と、タイトルを絡ませながら紹介するとそんな感じに

    異常な傑作──『雛口依子の最低な落下とやけくそキャノンボール 』 - 基本読書
  • 日本で行われた大量無差別殺人事件、他者を犠牲に生き延びた少女は「悪」なのか──『スワン』 - 基本読書

    スワン 作者: 呉勝浩出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2019/10/31メディア: 単行この商品を含むブログを見る異常な傑作『雛口依子の最低な落下とやけくそキャノンボール』で呉勝浩の名を衝撃と共に知った僕だが(それがどのような衝撃だったかは前書いた記事を読んでほしい)、同著者の最新巻のこの『スワン』でもう一度度肝を抜かれることになった。「理不尽に降りかかる悲劇を、いかに乗り越えていくのか」という『雛口依子〜』で描かれたテーマが、ここではより拡大された形で描かれていく。これは当に凄い! huyukiitoichi.hatenadiary.jp 衝撃の冒頭について まず冒頭から衝撃的である。何やら怪しげな会話をするハイエースに乗った三人組(ヴァン、サント、ガスとお互いを呼び合っている)が新宿まで車で一時間の典型的なベッドタウン湖名川に存在する、スワンと呼ばれるショッピングモ

    日本で行われた大量無差別殺人事件、他者を犠牲に生き延びた少女は「悪」なのか──『スワン』 - 基本読書
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