高校1年のころ、外に出られなくなった。特に昼間がつらかった。「同い年の人がガヤガヤと通り過ぎるのがダメで」 パソコンが好きだった。キーを叩いていれば、すべてを忘れられた。「お前のために、パソコンクラブ、作るから」。担任はそう言ってくれたけど、学校は辞めてしまった。 3年間、ひきこもった。悩んだ。大検に合格したが、大学には入れなかった。家庭の事情で追い詰められ、サラリーマンになり、ネットで出会った女子高生と恋をし、結婚して子どももできた。 家族と一緒につつましく暮らしていければいいと、SOHOで合資会社を立ち上げた。知らず知らず、時代の波に乗っていた。1人でやるつもりだった会社は、売上高8億5000万円、従業員72人のネット企業「paperboy&co.」(ペーパーボーイアンドコー)に成長する。 「まさか社長になるとは」――振り返ると、自分でも驚く。家入一真、27歳。饒舌ではない。照れ屋で、
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