2016年1月13日に胃がんの告知を受けたと夫のもちおから電話があった。 4年前の2012年2月、もちおは人間ドックで胃のバリウム検査に引っかかり、要再検査の通知を受けていた。同年5月に転居、転職をしたので、移転先で胃カメラの検査を受けようと考えていた。転居先には胃カメラを飲ませるのがめっぽううまいと評判の医者がいたが、もちおは忙しさにかまけて胃カメラ検査をずるずる先延ばしにしていた。 さらにバリウム検査に先立つこと数年前、もちおは胃痛で内科にかかり、ピロリ菌の駆除をした。もちおは疲れたとき、悩み事があるとき、よく腹痛を訴えた。「お腹が痛い、ここに手をあててほしい」とわたしの手を取り、左の脇腹にあてる。そんなときもちおのお腹はそこだけひんやり冷たくて、いかにも具合が悪そうだった。しかしもちおはいよいよになるまで病院へいかなかった。 人間ドックで引っかかり、忠告を受けてピロリ菌駆除のため胃カ