イカの環歯は自己修復能力を持っているイカの環歯の遺伝子を書き換え改良することで自己修復能力を強化した新素材を作った新素材は損傷をわずか1秒で修復する能力があった 近年の急速な合成生物学の進歩によって、生命の設計図ともいわれる遺伝子を、新素材のレシピとして使うことを可能になっています。 生物の能力を新素材に取り込むことで、既存の非生物学的な素材には獲得不可能であった特性を得ることができるのです。 中でも自己修復能力は非常に生物的な能力であり、幅広い分野で活躍すると期待されています。 そこで今回、合成生物学の研究者たちは、イカの環歯(吸盤の中にあるリング状の歯)の再生能力を改良し、損傷を1秒以内に自己修復する柔らかい新素材を開発しました。 これまで多くの自己修復能力を持った素材が開発されてきましたが、どの素材も修復には数時間から数日を必要とし、多くは修復後の強度が低下します。 しかし今回、イカ