前回から引き続き、日本人の“新たな国民病”とも言える逆流性食道炎について解説をしましょう。 逆流性食道炎は、胃酸や胃の内容物が食道に逆流することによって起きる食道の炎症です。 日本の環境が清潔になったことや、胃がんのリスクを下げるためにピロリ菌を積極的に除菌していったことによって、日本人のピロリ菌の感染率は激減しています。ピロリ菌が起こす萎縮性胃炎のせいで低下していた胃酸の分泌量は、正常レベル近くまで戻ってきました。 加えて食生活の欧米化(高脂肪食)や過食によって、胃酸が過剰に分泌されるようになり、逆流性食道炎になる人が急増しています。 逆流性食道炎は様々な症状を引き起こしてQOL(Quality of life 生活の質)を落としてしまいますが、何より問題になるのは、「食道がんのリスクが上がる」という点です。 慢性的に炎症が続いている場所では発がんのリスクが上昇します。これは、ピロリ菌に
![やっぱりピロリ菌の除菌で食道がんは増えた?:日経ビジネスオンライン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/f68104ec9e2634201540482c802c6f70a2242ef9/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkei.com%2Fatcl%2Freport%2F16%2F091200163%2F010900017%2Ffb.jpg)